札幌市白石区本郷通6の就労移行支援事業所「ホワイトストーン」が、運営を引き継いだ私設図書館「りとるわん」の業務をボランティアで行っている。図書館は事業所に併設されており、精神保健福祉士らが業務を担う。絵本を借りに来た保護者が、育児の悩みを相談することも多く、29日は保育について考える勉強会を開く。
 同図書館は1997年、出版社に勤務していた佐々木正博さん(73)が絵本専門の書店として開業した。図書館に転換した2019年頃、体調を崩した佐々木さんに代わり、親交のあった同事業所の村田育洋所長(44)らが運営を引き継いだ。
 同事業所の本来業務は、知的障害者らの就労支援。現在は13人が利用し、企業や病院を一緒に訪問して就職につなげている。図書館には3200冊の絵本が並び、誰でも2週間借りられ、精神保健福祉士や社会福祉士ら6人が、図書の貸し出しや管理を行っている。
 同図書館には親子連れを中心に、年間700人が訪れる。絵本を借りるついでに「きょうだいが引きこもりで、どう接したら良いか」「子どもが発達障害と診断された。どんな福祉サービスがあるのか」など相談する保護者の姿も見られる。
 村田さんは病院や福祉施設を利用することにハードルが高いと感じる人もいるとし、「福祉のスタッフのいるここに立ち寄り、気軽に相談してもらえている」と話す。
 29日は午後4時から同事業所で、木製玩具などを移動販売するキンダーリープ(小樽)の杉本英樹店長が「おもちゃと保育の勉強会」と題して講演(参加費千円)し、同6時からおもちゃの販売会を行う。講演の申し込みはホワイトストーン、電話011・867・0755へ。サイドバーでクエリ検索

私設図書館「りとるわん」を運営する就労移行支援事業所ホワイトストーン所長の村田育洋さん。29日に勉強会を開く

2024年6月10日 21:49北海道新聞どうしん電子版より転載