【深川】「障害者の就労支援施設として利用者が楽しく活動できる店にしたい」と、中北空知の調理師や介護福祉士ら5人が2年前に開店したハンバーガー店の運営が軌道に乗っている。開店時、店の従業員として活動する施設利用の障害者はいなかったが、今では20~50代の9人になった。介護福祉士として店を立ち上げた木田靖さん(52)は「利用者が和気あいあいと作業に取り組めるよう心がけている。今後も活動しやすい店づくりをしていきたい」と話す。
■「活動しやすい」利用9人に増
 店名は「ピーターパン」(4の8)。木田さんら5人が2022年4月、障害者就労継続支援B型事業所の登録を受けた上で、ハンバーガーの持ち帰り店として開店させた。当初は5人だけでの営業だったが、市内の障害者支援センターから声が掛かり、同年6月に施設利用者として1人が加入。以降、「活動しやすい」との評判が広がり、利用者が増えていった。
 木田さんは「ゆっくり焦らず楽しむ」をモットーにした店づくりが、利用者増加につながっていると分析する。
 ハンバーガーを作る際、バンズの上に肉やレタスなどを置く順番を間違えても、木田さんは代わりに自分がやってしまうことはせず、改めて教えた上で、できるまで時間をかけて見守るようにしている。
 また、ハンバーガーなどと併せて販売している利用者の手作り雑貨も、製作を急がせることはなく、手編みのシマエナガ風のキーホルダーは約5時間かけて丁寧に作ってもらっている。利用者の40代女性は「全部自分のペースでできる」とうれしそうに話す。
 利用者は連れだって市内や近隣のまつりに出かけるなど仲が良く、職場の雰囲気もいい。木田さんは「味だけでなく、店内の和やかな空気感もこの店の魅力」と考える。
 営業時間は午前9時半~午後5時半。土日曜休み。問い合わせは同店の運営会社ライブコネクトくだん、電話0164・34・7758へ。

作業している利用者を背に、手作りのハンバーガーやぬいぐるみを手にする木田さん

2024年6月7日 19:22(6月7日 19:57更新)北海道新聞どうしん電子版より転載