【当別】町出身の新宅健太郎さん(23)がハーバード大学教育大学院の修士課程を修了した。大学から米国に留学、現在はカリフォルニア州で核軍縮などを考える教育プロジェクトに携わる。「教育の力で、世界平和を実現したい」と意気込みを新たにしている。
 新宅さんは中学3年までは野球に打ち込んだ。高校受験を前に、母美保さん(57)の紹介で、札幌で英語学校を主宰するインド人教師から世界の貧困や環境の問題を聞いたことが転機となった。「この世界をもっと知るため、海外で学びたい」と英語教育に力を入れる札幌国際情報高へ。英語部に所属し、英語によるディベートの全国大会にも出場を果たした。

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ハーバード大学教育大学院の修士課程を修了した新宅健太郎さん(新宅美保さん提供)


 卒業後は、インド人教師の母校だったアメリカ創価大学(カリフォルニア州)に進んだ。奨学金を継続して得るためにはトップクラスの成績が必須で、必死に勉強したという。さらに昨年5月からはハーバード大学大学院(マサチューセッツ州)で、国の枠にとらわれず全人類を同じ地球に暮らす仲間と考える「世界市民教育」を進める研究者の元で学んだ。
 将来の目標は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)などで世界市民教育を進めるプログラムを広く実現することという。環境問題、核軍縮などハードルは高いが、「自分が情熱を感じることを追い求めて努力をすれば、必ず勝利をつかめる」と熱く語る。
 30日には、道内の小中高生、大学生などを対象にしたオンライン講演会「後輩たちへ伝えたいこと」を開く。午前10~11時、米国の新宅さんと参加希望者のパソコンなどをオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」でつなぐ。事前申込が必要。問い合わせは母の美保さん、電話090・6873・4752へ。

2024年6月7日 21:28北海道新聞どうしん電子版より転載