愛知県一宮市の自宅で2022年2月、0~5歳の娘3人を殺害したとして、殺人罪に問われた遠矢姫華被告(29)の裁判員裁判が4日、名古屋地裁(吉田智宏裁判長)で開かれ、検察側は懲役25年を求刑した。弁護側は、重度のうつ病による心神喪失状態で殺意もなかったとして無罪を主張し、結審した。判決は11日。
 検察側は論告で「子どもたちを確実に殺害し無理心中するという強固な意思に基づいて一方的に犯行に及び、強い非難が妥当だ」と指摘。犯行前後の行動も一貫して合理的で、完全責任能力があったと述べた。
 弁護側は最終弁論で、自殺を考えていた被告はうつ病の影響で、頭の中で「置いていくな」という声が聞こえて3人の首を絞めたとし、「精神医学的治療や社会福祉的支援が必要だ」と訴えた。
 起訴状によると、22年2月10日、自宅で娘3人の首をコードのようなもので絞め、窒息死させたとしている。

2024年6月4日 18:09北海道新聞どうしん電子版より転載