夫が急病になって障害が残ったり、急死したりした経験のある札幌市の女性2人が、同じ境遇の人を支えたいと、オンラインサロン「ミライク」を開設する。悩みに応じて弁護士ら専門家を紹介するほか、直接交流できるイベントの開催なども計画している。
 主宰するのは菅原智香(ちか)さん(36)と森山佳那さん(35)。ともに美容サロンを経営し交流サイト(SNS)で知り合った。菅原さんは専業主婦だった12年前、夫が急死。森山さんは会社を育休中だった4年前に夫が脳出血で倒れ、高次脳機能障害を負い、車いす生活となった。
 当時、菅原さんの子どもは1歳と2歳、森山さんの子どもは生後5カ月。2人とも幼いわが子を抱え、精神的に大きなダメージを受け、経済的にも困窮した。その後、起業し経営者にまでなったが、つらかった時の経験や利用できる制度などの知識を伝え、互いに助け合いたいとの思いから、サロンの開設を思い立った。
 対象は、死別や離婚を経験したシングルマザー、自分や家族に障害がある人、産前産後うつの人ら。月額1100円で、男女問わず参加できる。アプリ「ディスコード」のチャットで交流し、周囲に言えない悩みを吐き出したり、相談したりできる。
 ファイナンシャルプランナーら専門家の紹介、希望者同士が会って交流できる機会作り、親子イベント、セミナーなども行う予定だ。匿名での参加も可能。2人は「温かく優しいコミュニティーにしたい」と話す。
 入会は21~23日の3日間で受け付ける。申し込みや問い合わせは、公式ラインへ。

悩みを相談できるオンラインサロン「ミライク」を開設する森山さん(左)と菅原さん

2024年6月2日 4:00北海道新聞どうしん電子版より転載