札幌医科大は29日、同じ講座に所属する教員2人に対しパワーハラスメントやアカデミックハラスメント(教育や研究の場における権力を利用した嫌がらせ)をしたとして、医学部の50代男性教授を停職3カ月の懲戒処分とした。
 同大は「個人の特定につながる恐れがある」としてハラスメントの内容を明らかにしていない。管理監督責任を怠ったとして医学部長を訓告とした。
 関係者によると、男性教授は教員らを大声で怒鳴ったり、手術の執刀をさせないようにするなどしていたとして、教員らは昨年、同大にハラスメント被害を申し出ていた。
 これを受け、同大は弁護士や職員でつくる学内調査委員会を設置。双方への聞き取りなどを行い、事実を認定した。同大は「服務規律の順守について、職員への注意喚起を徹底していく」としている。
 一方、男性教授の代理人弁護士は「懲戒事由に該当する事実があったかどうかを争っている」とし、処分停止を求める仮処分を申し立て、訴訟も起こす方針を示している。

2024年5月29日 18:26(5月29日 18:36更新)北海道新聞どうしん電子版より転載