【大樹】大樹町農協の西川久雄組合長は24日、信用共済部貯金課の20代女性職員=3月19日付で懲戒解雇=が、約2年間にわたり約6700万円を着服した事件を受け、女性職員の上司に当たる信用共済部長と信用共済部貯金課長の2人を降格処分にしていたことを明らかにした。また、事件を受け、不祥事の再発防止などを担う「リスク管理担当」も新たに設置した。
 同農協で24日開かれた通常総会で報告した。総会の冒頭、西川組合長は「大変重大な不祥事を起こしてしまったことを、あらためておわび申し上げる」と謝罪し、頭を下げた。
 同農協は今回、再発防止を担うリスク管理担当に、降格処分となった前・信用共済部長を充てた。これに対し、組合員からは「リスク管理できない人物を、リスク管理の担当にするのはおかしい。こんな人事を行い、信頼回復なんてできるのか」と疑問の声が上がった。また、担当部長と課長が降格処分となったことに、別の組合員から「なぜ担当役員らの処分はないのか。これでは農協は何も変わらない」との意見も出た。
 同農協は例年、人事を公表しているが、今回は降格処分となった職員を含む4月10日付の人事異動を報道機関に公表していない。

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元職員による巨額の着服問題を受け、頭を下げて謝罪する大樹町農協の幹部たち

2024年5月24日 21:12(5月24日 21:44更新)北海道新聞どうしん電子版より転載