英情報会社「クラリベイト」の日本法人は22日、先端研究領域で活躍した若手・中堅研究者に贈る「リサーチフロントアワード」の受賞者を発表した。「下水疫学」の北島正章・東大大学院工学系研究科特任教授ら11人が選ばれた。
 同賞は4年に1度発表している。対象は2001年以降に学位を取得し、18~23年に発表した論文が多く引用されるなどした日本の研究機関所属の研究者。
 北島教授は今年2月まで北大大学院工学研究院に准教授として在籍。20年、下水中の新型コロナウイルスに関する査読付きの論文を世界で初めて発表。下水中のウイルスを検出して感染動向を先取りする手法を確立し、札幌市の流行状況の調査にも協力している。同分野では山梨大国際流域環境研究センターの原本英司教授も受賞した。
 北島教授は「新たな感染症の脅威に備える上でも重要な研究分野。選んでいただいたことは、分野全体の発展の後押しになる」と感謝した。

「リサーチフロントアワード」を受賞した東大大学院の北島正章特任教授(右)と山梨大の原本英司教授

2024年5月22日 23:25北海道新聞どうしん電子版より転載