【泊】村内で、高齢者や身体障害者の日常生活を支えるボランティアが活躍している。村社会福祉協議会が実施している「有償ボランティア事業」の一環。地域の高齢化が進む中、多様なニーズに対応しようと、村社協はサービスの活用拡大を目指し、ボランティアとしての参加と協力を呼び掛けている。
 「一人ではとてもできない。すごく助かっている」。21日、村内で車いすで生活をする宮下美恵子さん(77)は顔をほころばせた。この日、宮下さんはボランティアの中島和子さん(67)のサポートで、約1時間半かけて衣類などの断捨離をした。自由に動いたり、重いものを持ったりすることが難しい宮下さんの代わりに、中島さんがタンスにある不要な衣類をごみ袋にまとめた。中島さんは「高齢者の多い地域。支え合いが必要なので、役に立ててうれしい」と話す。
 同事業は昨年10月に始まった。ボランティアをする「協力会員」とサービスを受ける「利用会員」がいる。会員になりたい人はいずれも登録が必要で、村民限定。登録後、活動日程や内容の調整は村社協が行う。料金は30分ごとで、村内の買い物代行が300円、草刈り、除雪、家事支援などが500円。活動終了後に利用会員から協力会員に直接支払う仕組みだ。
 冬季は除雪の依頼が主だったが、村社協は今後、買い物代行や草刈り、さらに4月から新たにサービスに加えた家の掃除など家事支援の利用拡大も図る。
 4月1日時点で協力会員は9人、利用会員は5人。村社協の主任柴田拓紀さん(30)は「もっと多くの人に事業を知ってもらい活用してほしい」と語るが、悩みは担い手の不足。「個人のニーズに応える体制をつくり、住民同士の支え合いが当たり前の地域にしたい」と参加を呼び掛けている。
 問い合わせは村社協、電話0135・75・3761へ。
 

2024年5月22日 17:52(5月22日 18:47更新)北海道新聞どうしん電子版より転載