道監査委員は20日、道が2022年度に補助金などの財政援助した148団体のうち11団体が1億14万円を過大受給していたと発表した。このうち9団体は新型コロナウイルス対策の補助金を受給した医療法人などで計9960万円に上った。道監査委員事務局によると、過大受給額は過去5年で最多。意図的な事例はなく、道は全額返還を求める方針だ。
 道監査委員事務局によると、監査は昨年6月から今年2月にかけて実地や書面で実施。道が22年度に財政援助した約4千団体のうち、道の関与が大きい148団体を抽出調査した。
 新型コロナ対策の補助金を過大受給していた9団体のうち最多となったのは、新札幌豊和会病院(札幌市厚別区)を運営する医療法人豊和会。医療提供体制整備の補助金で、対象外の機器などの導入費用を請求し、7408万円を過大に受給した。法人と道の担当者が補助金の対象になると誤認していた。
 札幌記念病院(札幌市西区)を運営する医療法人社団北裕会は、コロナ患者用病床の空き日数に応じて支給される病床確保料の対象日数を実際より多く申請し、計965万円を過大受給。法人は「事務処理のミス」と説明しているという。
 医療法人王子総合病院(苫小牧市)は、病床確保の補助金計688万円を重複して受給。法人は「算定を誤った」と説明している。
 新型コロナ関連の補助金を受給していたが、抽出調査の対象とならなかった他の団体について、道保健福祉部は「誤りがある可能性がある」として再調査を検討する。

2024年5月20日 19:14(5月20日 23:27更新)北海道新聞どうしん電子版より転載