耳の聞こえない人にせりふを、目の不自由な人に手話をどう伝えるか―。記録映画「こころの通訳者たち」が6月15日、札幌市北区の札幌エルプラザ(北8西3)で上映される。関係者は「壁は越えられる。難問に挑む姿を知って」と話す。
 「こころの―」は、全作品に字幕と音声ガイドを付けて上映する全国唯一のユニバーサル映画館シネマ・チュプキ・タバタ(東京都北区)の活動を紹介する。
 「タバタ」では舞台に立って役者のせりふを同時通訳する「舞台手話通訳者」を巡る記録映画の上映が決まり、内容を視覚障害者に伝える音声ガイド作りが始まる。通訳者と音声ガイド作りの担当者の思いは重なり、言葉や障害を超えていく。山田礼於監督。2022年公開。94分。
 札幌映画サークル(奥田聡代表)主催で、全国障害者問題研究会道支部が共催する。特別支援教育に詳しい札幌学院大の二通諭名誉教授は「1本の映画にいくつかのコミュニケーションツールが交錯する」と作品を紹介。同支部会員で全盲の元視覚支援学校教員、吉田重子さんは「障害の違いをどう乗り越えるのか、格闘するプロセスに緊張感があり、多くの人に感じてほしい」と期待する。
 上映は午前11時と午後2時。各回終了後に「タバタ」代表で同映画のプロデューサー平塚千穂子さんのトークがある。前売り1300円、当日1500円。問い合わせは同サークル、電話080・1892・3299へ。

チラシを持ってPRする右から奥田代表、吉田さん、二通さん

2024年5月17日 22:26北海道新聞どうしん電子版より転載