一般財団法人北海道陸上競技協会(道陸協)が2022年度末までの決算で預貯金1500万円を水増し記載していた問題で、道陸協は18日、札幌市内で理事会を開き、当時会計を担当していた40代の男性職員が2460万円を横領していたと明らかにした。道陸協は1月末に職員を解雇。元職員と返済計画について示談が済んでおり、刑事告訴しない方針。
 道陸協によると、元職員は2018年6月から昨年2月まで、日本陸上競技連盟(日本陸連)に納付する登録料や道内地方陸協が主催した大会の参加費などを、私的に流用していた。水増し問題が発覚した昨年に設置した、ずさんな会計処理の原因究明をする道陸協の第三者委員会に対し、元職員は「生活費に使った」と話したという。
 道陸協が所有する複数の口座のうち、道内地方陸協などから振り込まれる口座があり、その口座は監査対象から外れていたという。元職員は、実質的に1人で会計を担い、当該口座から着服しながら、監査対象の口座への入金や会計の操作などを行っていた。道陸協の渡辺剛成専務理事は「監査対象外の口座ができた経緯は分からない。監査が甘かったというしかない」と話した。
 未納だった22年度分の日本陸連登録料735万円は、道内地方陸協から道陸協が借りた計千数百万円を原資に今月中に返済する。
 理事会ではこのほか、道陸協など主催で、これまで7月に開催していた南部忠平記念陸上競技大会を、今年は9月に函館で開くことを承認した。財政再建のため規模を縮小し、小中学生中心の大会とする。
 会長代理を務めていた板谷良久副会長(56)がこの日に会長に就任し、「競技者と陸上関係者に多大な心配をかけ、心から謝罪する。不正の事実を踏まえ、再発防止に取り組む」と話した。

2024年5月18日 20:47(5月19日 8:14更新)北海道新聞どうしん電子版より転載

 

・道陸協・丸会長が引責辞任 預貯金1500万円水増しで

一般財団法人北海道陸上競技協会(道陸協)が2022年度末までの決算で預貯金1500万円を水増し記載していた問題で、道陸協の丸昇会長が2月27日付で引責辞任していたことが分かった。
 道陸協は昨年10月、22年度末までの少なくとも4年間、決算で預貯金の水増し記載をしていたことが判明。日本陸上競技連盟に納めなければならない22年度分の選手登録料735万円も未納で、現在も支払いのめどは立っていない。
 道陸協関係者によると、3月2日から板谷良久副会長が代理を務めているという。

2024年4月3日 23:11北海道新聞どうしん電子版より転載

 

・道陸協、選手登録料735万円未納続く 22年度、日本陸連に

日本陸上競技連盟(日本陸連)は26日、非公開の理事会後にオンラインで会見し、北海道陸上競技協会(道陸協)が2022年度の選手登録料約735万円を納めていない問題について、未納の状態が続いているとした。
 日本陸連は昨年12月の理事会で、財政難の道陸協に対し、再建に向けた助言を行うなどとする方針を承認している。未納の登録料については、組織の立て直しを優先し、明確な納付期限は設けないとしつつも、23年度内を一つの目安として道陸協とのやりとりを続けているという。

2024年3月26日 20:55(3月26日 22:19更新)北海道新聞どうしん電子版より転載