【石狩】花川南第一地区民生委員児童委員協議会は今夏、担当するエリアの世帯状況把握の強化に乗り出す。地域住民に調査への協力を求め、全約4千世帯の状況把握を目指す。能動的に行動することで、潜在的な支援を要する人を見つけ、適切な福祉サービスにつなげることが狙い。市によると、民生委員が組織として全世帯の状況調査に取り組むのは「聞いたことがない」という。
 民生委員は、民生委員法に基づき厚生労働相から委嘱される非常勤の公務員で、児童委員と兼務する。担当地区の高齢者や障害者の安否確認、子どもへの声かけのほか、地域の困りごとなどの相談・支援を担う。内容によっては、行政や専門機関との橋渡し役を務める。報酬はない。
 花川南第一地区の民生委員は40~70代の21人。担当するのは花川北1~花川南4のエリア。同協議会によると、委員1人当たりの担当世帯数は150~300世帯で、戸別訪問して世帯状況の把握に務めているが、回りきれなかったり、訪問先と会えなかったりなどで、全世帯の状況を把握できていないのが現状だという。
 そのため、必要な支援や相談先につながっていない人がいる可能性があることから、同協議会として状況把握の強化を決めた。あらためて担当エリアの全世帯に家族構成や、障害者手帳の有無、要介護度などを調査し、必要な支援につながっていない人を、適切な関係機関や福祉サービスにつなげるなど能動的な取り組みを行う。
 6月ごろまでに世帯状況調査の重要性を知ってもらう情報を町内会の回覧板で回し、協力をお願いする。7月をめどに各民生委員が各世帯を訪問し、調査表を配布する。調査表の回答は任意。調査表は各世帯担当の民生委員が管理し、他の民生委員とは共有しない。
 同協議会の安保隆之会長(72)は「どこに相談したら良いか悩んでいる潜在的に支援に必要としている人を見落とさず、適切な支援につなげたい」と話している。

独自に行う世帯状況調査について打ち合わせをする、花川南第一地区民生委員児童委員協議会の民生委員たち(同協議会提供)

2024年5月16日 22:06北海道新聞どうしん電子版より転載