【網走】子どもたちに食事を提供する市内唯一の子ども食堂「楽喰(がくしょく)『こども食堂網走』」が、今月から再開した。2020年2月に初めて開催したものの、新型コロナウイルスの影響でわずか2回で休止に。新型コロナの5類移行を受け、市などと連携を取りながら再始動の準備を進めてきた。運営委員会の山田享(たかし)委員長は「『楽喰』とあるように、子どもには楽しく食事をしてほしい」と話している。
 子ども食堂を利用できるのは、潮見コミュニティーセンター(潮見4)近くの潮見小の児童。運営費は主に市内の企業からの寄付で賄い、食材は農協などの団体や企業から提供してもらっている。会場の設営や調理は、元学校調理師4人を含むボランティアスタッフ28人が交代で行う。元学校調理師のスタッフを中心に献立を考え、毎回食事前にメニューや使われている食材について説明し、食育にもつなげる。

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「楽喰『こども食堂網走』」を訪れ、食事を楽しむ児童

 再開初日の11日、同センターには児童2人の姿があった。この日のメニューはミートソースパスタ、豆腐と卵のスープ、オレンジゼリーで、潮見小1年の藺幡(いばた)幸恵さんは「ゼリーが酸っぱくておいしかった。また参加したい」と笑顔だった。調理に携わった太田弘子さん(89)は「おいしいと言って食べてくれるのが何よりうれしい」と話した。

 山田委員長は「共働きやひとり親の家庭も多く、子どもたちの孤食も心配。手助けになれば」と話している。子ども食堂は毎月第2、第4土曜の正午~午後1時、開催する。問い合わせは山田委員長、電話090・3111・9686へ。

調理を担当したボランティア

2024年5月15日 18:26(5月15日 19:05更新)北海道新聞どうしん電子版より転載