障害のある人たちがパンやクッキーの製造・販売などを手掛ける就労継続支援B型事業所「工房るうぷ」を町内で運営する。三浦仁理事長(74)は「当たり前に働き、暮らせる、利用者の自立へサポートしていきたい」と力を込める。
 るうぷの前身である町内初の小規模共同作業所「福祉工房ポテトハウス」(2004年開設)を運営する任意団体「厚岸町共同作業所運営委員会」が母体。利用者の親や福祉関係者らで構成する。06年に旧障害者自立支援法が施行されたのに伴い法人化した。12年の移転に合わせ、施設名を変更。るうぷは英語で「輪」「環」の意味で、三浦理事長は「人と人のつながりや絆を大切にしたいとの思いを込めた」。
 るうぷの定員は20人。現在は厚岸、浜中両町内の20~50代の利用者が職員と働く。防腐剤を使わないパンは約50種類。和寒産カボチャや道産ジャガイモなどを具材に使っている。利用者がレシピに従って材料を計量し、丁寧に作る。クッキーやケーキも好評で、定期的にまとめ買いするファンもいる。
 取引先は、町内外の役場や商店、個人など約300件。配達中心だが、官公庁ロビーで定期的に販売も行う。店頭には、人気のカツサンドなど15種類ほどを並べる。
 昨年から、釧路太田農協産ブランド牛乳「あっけし極(きわ)みるく65」を使った「極みるく食パン」の製造を受託。しっとりしたパンは「極みるくをふんだんに使った牛乳の甘さがしっかり出ている」と評価が高い。
 11日開幕の「あっけし桜・牡蠣まつり」でも、町物産コーナーに並ぶ予定だ。三浦理事長は「パン製造を通した『農福連携』は利用者の働く意欲の向上になる。利用者が心を込めて焼いたパンを食べてほしい」と話す。
 障害のある人が創作活動などをして日中を過ごす地域活動支援センターも町内で運営する。
 
▼設立 2006年
▼売上高 非公表
▼従業員数 6人(パート勤務含む)
▼所在地 厚岸町真栄2の202
▼連絡先 電話0153・52・8155

工房るうぷでパンを作る利用者たち。材料の計量には細心の注意を払う

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三浦仁理事長

2024年5月10日 12:29北海道新聞どうしん電子版より転載