「金魚、カエル、ウーパールーパーもいるよ」。水槽をじっと見ていた子どもたちから歓声が上がる。留萌管内の天塩町立国保病院(48床)の玄関を入ると、ライトアップされた大小8個の水槽が目に入る。来院者を楽しませる「てしお水族館」だ。
 「水族館」は4年前の夏、同病院薬局長の寺門義典さん(50)が、水槽や生き物全てを自ら用意して開設。現在はウーパールーパーやアカハライモリ、ベルツノガエル、金魚など10種類約100匹が展示されている。モットーは「自然を切り取る」。天塩らしさにもこだわり、水槽の流木や石は町内の天塩川で拾ったものを活用している。
 生態系を再現した水槽で、生き物を飼育し観察する「アクアリウム」が趣味の寺門さん。開設の1年ほど前、長椅子に座って診察や支払いを待つ来院者が手持ちぶさたにしている光景を見ながら、思いついた。「金魚を入れた水槽を飾れば、楽しんでもらえるかも」
 開設当初は金魚10匹ほど泳ぐ水槽1個だけだったが、来院者や病院職員のリクエストに応えて「てしお水族館」は充実。今では病院職員の有志が「飼育員」を務め、餌を与え、水槽を掃除して運営に携わる。
 「水槽全体の色彩の美しさを楽しんでほしい」と寺門さん。「今後、アフリカウシガエルといったインパクトの強い生物を加えるなどして、特に子どもたちに生物に興味を持ってもらえれば」と夢を膨らませる。
 <メモ>天塩町立国保病院は町川口にあり、「てしお水族館」の観覧は平日午前9時~午後5時。電話01632・2・1058。

サイドバーでクエリ検索

来院者の目を楽しませている「てしお水族館」。写真右は開設者で薬局長の寺門義典さん

2024年5月7日 9:28北海道新聞どうしん電子版より転載