【登別】登別市社会福祉協議会が、障害者や認知症患者など自身で金銭管理が難しい人向けの日常自立支援事業で、お金を事前にチャージして使うプリペイドカードを導入し、1カ月がたった。カード導入が、支援の一環で行う金銭管理の省力化につながっている。サイドバーでクエリ検索
 障害者や高齢者らの買い物を支援する「KAERU(かえる)」のプリペイドカード(右)とスマホ画面(KAERU提供)

金融とITを融合させるフィンテック企業「KAERU」(東京)のサービスで4月から導入した。同社協は専用アプリでお金をチャージでき、利用者は店でクレジットカードのように使える。1日~1カ月単位で利用上限を設定できるので使い過ぎも防げる。
 同社協は、精神疾患患者や知的障害者、高齢者など40~80代の約20人に対し同支援事業を行う。支援の一つに金銭管理があり、支援員は自宅を訪ねて利用者と話し合って口座から引き出す金額を決め、本人と一緒に銀行に行き、自宅に戻って生活費を仕分けている。
 ただ、一連の作業に1人当たり1、2時間かかり、利用者も支援員も負担になっていた。また、急な出費への対応も難しかった。カードがあれば、電話のやり取りで済み、迅速に対応できるという。
 現在1人が同カードを利用している。同社協の坂本大輔総務課長は「臨時の出費にもスムーズに対応できる。今後も利用者に周知していきたい」と話している。道内では、富良野市社協と十勝管内の本別町社協も4月から同社のサービスを導入している。

2024年5月1日 21:13北海道新聞どうしん電子版より転載