今月、高砂市の公園で10歳と3歳のきょうだいが車の中で意識がない状態で倒れているのが見つかり、その後、死亡した事件で、警察は16日、母親を殺人の疑いで逮捕しました。
調べに対し「家族で一緒に死のうと思った」などと供述していて、警察は母親が無理心中を図ったとみて詳しいいきさつを調べています。

逮捕されたのは加古川市のアルバイト、永松露音容疑者(27)です。
警察によりますと、母親は今月9日の夜、高砂市の公園に止めた車の中で息子の旺駕くん(10)と娘の玲央楠ちゃん(3)を一酸化炭素中毒によって死亡させたとして殺人の疑いが持たれています。
当時、母親は「子どもが倒れている」などとみずから警察に通報していましたが、現場では母親も意識がもうろうとした状態で倒れているのが見つかりました。
警察は入院していた母親の回復を待って事情を聞いたところ「家族で一緒に死のうと思い、自殺をはかった」と容疑を認めたため、16日に逮捕しました。
母親と子どもは3人暮らしで、警察は母親が無理心中を図ったとみて詳しいいきさつを調べています。
加古川市によりますと去年6月に母親から家族に関する相談を受けていて、市は子どもの通学状況を定期的に確認するなどの支援活動を行っていたということです。

加古川市教育員会によりますと、亡くなった旺駕くん(10)は今月8日の小学校の始業式には登校していて、5年生の新学期をスタートさせたばかりでした。
この小学校の校長は「この度、本校の児童に起こった事案について、大変、残念でなりません。新しい学年を迎えて、みんなと一緒にがんばっていこうと誓い合っていた矢先のことで、非常に悲しんでいます。亡くなられた児童、児童の妹さんのご冥福をお祈り申しあげます」とコメントしています。
また、旺駕くんは先月まで、自宅を引っ越す前に通っていた加古川市内の別の小学校に登校を続けていたということで、この学校の関係者もコメントを出しました。
先月まで通っていた小学校の校長は、「昨年度まで、本校に在籍していた児童の事案を聞き、悲しみを禁じ得ません。児童が笑顔で元気にあいさつしている姿を思い出すと、非常に残念でなりません。亡くなられた児童、児童の妹さんのご冥福をお祈り申し上げます」としています。
旺駕くんの4年生の時の担任は「事案を聞いて、ショックで目の前が真っ暗になり、涙が止まりません。児童は、明るく元気で優しい子でした。転校先の新しい学校で、彼らしく活動しているだろうと思っていました。本当に、残念で、どのように気持ちを表したらよいか、言葉になりません」としています。

04月16日 17時28分NHK NEWS WEBより転載