格安航空会社ピーチ・アビエーションから、電動車いすの電池が目視できないことを理由に搭乗を拒否されたとして、台湾在住の女性が15日、オンラインで記者会見を開き、改善を訴えた。日本の障害者団体は「差別的な扱いだ」として同社に指導するよう国土交通省に申し入れた。

 会見したのは林君潔さん。林さんによると、沖縄県で障害者との共生に関する式典に参加後の5日、那覇空港からピーチ機で帰国予定だった。事前に車いすやその電池に関する書類を同社に送付。当日も持参して説明したが、搭乗口でスタッフから「電池を覆うカバーが外せず目視確認できないため、搭乗できない」と告げられた。翌日に中華航空の便で帰国した。

 電池類は容量などによっては危険物に当たるとして機内持ち込みを拒否されることがある。障害者団体「DPI日本会議」の佐藤聡事務局長によると、米国では電池の型番などを説明できれば目視は求められないといい、ピーチの対応は差別に当たると主張している。

 ピーチは取材に「事前情報と当日乗っている車いすが一致しているかどうか確認できなかったため断った」と説明。自社ホームページでは、車いすの型式の目視が必要などの旨を記載していなかったので、表記の改善を検討しているとした。林さんには謝罪し、延泊費用などを負担したという。

2024年4月15日 18:00(4月15日 18:20更新)北海道新聞どうしん電子版より転載