【遠軽】丸瀬布ひらやま医院(町丸瀬布中町)の平山典保院長(75)が発行する広報紙「週刊院潮」が9日、300号に達した。同医院が開業した2018年4月に創刊し、地域医療の現状や医院の日常を紹介してきた。平山院長は「地域に根ざし、患者や地域住民に寄り添う広報紙を作り続けたい」と意気込む。

「週刊院潮」300号を手に、創刊からの歩みを振り返る平山院長

■「寄り添う存在でありたい」
 週刊院潮はB4判1ページで、毎週火曜に発行。病気やけがの予防法や医院の診療内容など、暮らしに密着した医療情報を伝えている。新型コロナウイルスが流行した20年には、感染症対策に焦点を当てた「号外」を発行した。
 このほか、文学好きの院長お薦めの詩を紹介する「今週の詩」、北海道新聞オホーツク面のコラム欄「風ごよみ」の執筆経験を生かし柔らかな文章をつづる「院長のひとり言」などの人気連載も。許可を得た患者の写真をたびたび掲載し、「懐かしい友達の安否確認ができた」との反応が寄せられるという。
 平山院長は東京の病院で呼吸器の専門医として勤務。丸瀬布厚生病院(現遠軽厚生病院まるせっぷクリニック)の院長を1995年から2017年まで務めた後、内科、小児科、リハビリテーション科を備える医院を開業した。町内唯一の在宅療養支援診療所で、現在20人以上の訪問診療を行っている。
 広報紙は厚生病院時代も発行していたといい、平山院長は「現役医師が地域医療の現場を伝えることで、地域全体で医療福祉の課題を考えるきっかけにしたい」と語る。
 記念の300号では、同医院の全職員が写った写真を掲載し、刊行の歩みを振り返った。今後は医院を身近に感じてもらうため、患者たちの笑顔の写真を増やす考えで、「いつでも頼れる医院の院長として診療も執筆も頑張っていく」と笑顔を見せた。
 「院潮」は同医院で無料配布している。問い合わせは同医院、電話0158・46・3140へ。

2024年4月12日 19:00(4月12日 20:37更新)北海道新聞どうしん電子版より転載