▼92歳の映画監督 山田火砂子さん“とともに生きる社会を | 拓北・あいの里地区みんなの掲示板

    私のかあさん~天使の詩~監督 山田火砂子

    NHKプラス21:15ころ

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    ・監督は92歳、母として思いを新作に 伝えたい「共生社会、最高」

    知的障害者の両親を持つ少女の葛藤を描いた映画「わたしのかあさん―天使の詩(うた)―」(114分)が4月、いわき市と福島市で上映される。メガホンを取ったのは山田火砂子(ひさこ)監督(92)。30代で知的障害のある長女を産み、福祉や反戦をテーマにした社会派映画の製作に携わって50年。今作にも自身の経験が反映されている。

     映画は、長女・美樹さん(60)の恩師で、養護学校に長く勤めた菊地澄子さんの児童文学「わたしの母さん」が原作。小学3年生の高子は、授業参観での母親の奇異な行動を同級生から笑われ傷つく。のちに両親に知的障害があると知り気持ちは荒れたが、母親の損得を考えない生き方を見て周囲の大人が心を変えていく様子を目にし、福祉の道へ進む決心をする。

     母親を寺島しのぶさん、父親を渡辺いっけいさん、大人になった高子を常盤貴子さんが演じる。障害のある当事者や子ども約40人もキャストやエキストラとして参加した。美樹さんがかつて過ごした施設、今も暮らす施設がロケ地として協力した。

     山田監督は1974年から映画のプロデューサーを務め、72歳の時に実写映画を初監督。以来、障害児教育や中国残留孤児、女性解放運動といったテーマで撮り続け、今作が8作目。作中で高島礼子さん演じる高子の祖母が話すエピソードは、ほとんどが山田監督と美樹さんの実話だ。

     東京大空襲を生き抜いた山田監督は「弱者がいない世の中はどうなるか分かりますか」と問う。「強い者が集まって独裁者が生まれ、人のものをぶんどる軍国社会まっしぐらですよ。弱い人と手を携えて生きること、それがどれだけ幸せで平和なことか。『共生社会、最高』が映画を通して伝えたいことです」

     6日はいわき市のいわき芸術文化交流館アリオスで、7日は福島市のキョウワグループ・テルサホール(福島テルサ)で上映される。いずれも午前10時半と午後2時に開演で、山田監督の舞台あいさつから始まる。いわき市の午前の部は、山田監督の前回作「われ弱ければ 矢嶋楫子(かじこ)伝」を上映する。

    写真・図版

    山田火砂子監督=現代ぷろだくしょん提供

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    高子と母を演じる落井実結子さんと寺島しのぶさん=現代ぷろだくしょん提供 

    前売り1300円、当日1800円。問い合わせは、現代ぷろだくしょん(03・5332・3991)。(酒本友紀子)朝日新聞デジタルより転載 酒本友紀子2024年3月31日 10時30分