小樽市教委は、日常的に医療介助が必要な「医療的ケア児」(医ケア児)の新1年生1人が市立銭函小に入学するのに合わせ、同校に看護師を配置するほか、車いすで校内に入れるようスロープなどを設置した。

 医ケア児はたんの吸引や人工呼吸器などが必要な子どもで、日常的に保護者や看護師らによる医療行為が必要。小樽在住の医ケア児は今まで市外の特別支援学校に通う例が多く、市内の小中学校に入学するのは今回が初めて。

 銭函小に配置されるのは札幌市手稲区の訪問看護事業所の看護師1人。対象となる児童が登校する日に学校を訪問する。市は2024年度予算に看護事業所への1年間の委託料90万円を計上した。

 市教委は階段や段差がある同校の玄関前などにスロープを設置。1階と2階を昇り降りできる階段昇降機も新設し、バギー型車いす用の児童机2台も購入した。23年度一般会計補正予算で1千万円を計上している。

 市教委は「医療の専門家である看護師が配置されれば、他の教諭も安心できる。今後必要な備品が新たに出てきた時にサポートするなど、児童にとって不自由な学校生活にならないよう、学校と連携していきたい」と話している。

サイドバーでクエリ検索

銭函小の玄関前に設置されたスロープ

2024年4月2日 21:12(4月2日 22:04更新)北海道新聞どうしん電子版より転載