帝国データバンクは、小林製薬の紅こうじを原料にした製品の製造や販売、仕入れ、加工などに関わった可能性のある道内の企業は最大約1500社に上るとの調査結果を明らかにした。紅こうじは発酵食品の原料のほか、着色料としても広く使用されており、流通先の特定は難航するとみている。
 厚生労働省は3月28日、道内の6社を含む全国の延べ225社に小林製薬の紅こうじを原料として使用している製品の自主点検を要請すると発表した。
 帝国データバンクは、この225社と取引のある国内企業などについて調査した。225社と直接仕入れなどの取引関係がある道内企業は約180社。これらの企業と取引がある企業は約1400社で、直接取引企業と合わせると最大計約1500社になると推計した。
 全国で、小林製薬の紅こうじを原料とした製品の製造や販売、仕入れ、加工などに関わった可能性のある企業は最大約3万3千社と算出した。

2024年4月2日 20:18(4月2日 21:38更新)北海道新聞どうしん電子版より転載

 

・道内4人健康被害か 小林製薬「紅こうじ」サプリ摂取

道と札幌市は2日、小林製薬(大阪市)の紅こうじ成分を含むサプリメントを摂取した道内在住の50~60代の計4人が腎障害などの体調不良を訴えていると発表した。道内で、サプリを巡って健康被害が疑われる患者が確認されたのは初めて。
 札幌市保健所によると、同市内で体調不良を訴えたのは50代の女性1人。2月上旬から約40日間、全国で健康被害の原因となった疑いがある「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」を摂取した。倦怠(けんたい)感や食欲不振といった症状があり、現在も経過観察のため通院中という。
 道などによると、函館市の60代1人と道立保健所管内の50代2人は、回収命令が出ている「紅麹コレステヘルプ」「ナイシヘルプ+コレステロール」「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」のいずれかを摂取し、腎機能の低下や尿の色の異常、身体の痛み、倦怠感を訴えている。函館市の1人は入院し、現在は退院した。3人の性別は公表していない。札幌市の女性を含む全員に命に別条はなく、快方に向かっているという。
 道によると、道民や事業者から道内の保健所に寄せられた相談は、集計できた3月29日分までで計75件に上った。道などは同社の紅こうじを含む製品を摂取して不調を感じた場合は、医療機関や近くの保健所に相談するよう呼び掛けている。厚生労働省のコールセンターは、電話03・3595・2760(午前9時~午後9時)。
 小林製薬の紅こうじを含むサプリを巡っては、摂取後に腎疾患や食欲不振を引き起こすケースが全国で多数報告され、これまで計5人の死亡が確認されている。

2024年4月2日 17:42(4月2日 23:40更新)北海道新聞どうしん電子版より転載