【浜頓別】町内豊寒別の小川牧場(ぶんちゃんの里)で小学生時代から酪農体験実習を続けてきた神奈川県藤沢市の斉藤大地さん(20)が今春、北里大獣医学部(青森県十和田市)に進学する。実習を通じて獣医師になる夢を抱き、その一歩を踏み出す。斉藤さんは「農家の方に信頼される獣医師になりたい」と話している。

獣医学部進学を決め、浜頓別の小川さん夫妻に報告に来た斉藤大地さん(右)


■「感謝伝えに」小川牧場を訪問
 斉藤さんは小2の頃、「酪農を体験させたい」という父親に連れられて、初めて小川牧場を訪れ、牛に興味を持った。毎年夏休みには牧場に滞在し、牛の世話を手伝うようになった。
 獣医師を目指したのは、中2の夏に牛が専門の獣医師から「牧場に出向き、当直もあるが、やりがいがある」と聞いたのがきっかけ。2022年に横須賀高を卒業し、2年間の浪人生活を経て念願の獣医学部合格を果たした。
 2月28日から3月4日にかけて浜頓別を訪問。同牧場を経営し、22年9月に引退した小川文夫さん(73)と妻優子さん(65)に合格を報告した。斉藤さんは「自分の夢を見つけるきっかけをくださった大切な方。合格と感謝を伝えにきたかった」と話す。
 斉藤さんは「獣医を目指した原点を見失わず、大学では実習に積極的に入りたい」と意欲を語る。小川さんは「牛の命を守ることは、酪農家の生活を守ること。牛にも人にも好かれる獣医師になって宗谷管内に来てほしい」と期待を掛けている。

2024年3月29日 18:49(3月30日 17:49更新)北海道新聞どうしん電子版より転載