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酪農学園大の構内に完成した道立動物愛護センターの外観

 【江別】飼い主のいない犬猫の保護や譲渡などを行う拠点として酪農学園大構内に完成した「道立動物愛護センター」(愛称・あいにきた)は、同大の学生がボランティアとして運営に協力する。一般向けの啓発活動も予定している。
 同センターで27日開かれた開所式には関係者約50人が出席。鈴木直道知事や同大の岩野英知学長らがテープカットで完成を祝った。

施設の完成を祝いテープカットする鈴木直道知事(左から3人目)や岩野英知学長(同2人目)ら
式典に出席した獣医保健看護学類3年の本舘明莉さん(21)は「学内にあることで、動物の保護などが学びやすい」、同3年の吉村圭右さん(21)は「動物愛護について多くの人に知ってもらうきっかけになる」とそれぞれ期待を語った。
 同大は2022年度、センター開所を目指す道の委託を受け、行き場を失ったペットの保護などを担う機能の実証事業を実施。23年度も保護動物の受け入れや譲渡会などを開催した。
 4月に本格稼働するセンターは道の直営施設だが、同大付属の動物医療センターが連携する。学生の研修での利用も予定しており、岩野学長は「センター設置を契機に学生が動物と人間の関係性を学ぶ機会になるのでは」と話した。

壁に木材を採用するなど温かみのある道立動物愛護センターの内部。犬や猫を保護するためのケージが並ぶ

建物はいずれも木造平屋建の事務所(84平方メートル)と飼育舎(55平方メートル)に分かれ、ドッグランもある。犬猫計30匹の受け入れが可能で、災害時には飼育舎をトラックに載せて被災地に出向いて活動する。
 獣医師を含む職員9人が勤務。各保健所で一定期間収容した犬猫を引き取って、治療後に新たな飼い主へ譲渡する。一般向けにペットのしつけ教室を開くなどの啓発活動も行う。市民が動物を直接持ち込むことはできない。

2024年3月28日 22:28(3月28日 23:01更新北海道新聞どうしん電子版より転載