札幌市は、市が農試公園(西区)に昨年4月オープンした、障害の有無にかかわらず遊べる「インクルーシブ遊具」の利用者アンケートの結果をまとめた。1日最多で約1400人が利用し、「満足」と答えた保護者は9割超に達した。一方、あまりの混雑ぶりに障害のある子どもが利用をためらった事例もあった。

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農試公園に昨年4月オープンしたインクルーシブ遊具(札幌市提供)
 インクルーシブは「包括的な」を意味する英語。
 遊具が入る広場は約3800平方メートル。車いすのまま利用できる大型複合遊具や砂場など、8基のインクルーシブ遊具を設置している。
 市みどりの推進課は昨年8、9月の4日間、利用実態調査を実施。1日の利用は最多で1419人、ピーク時には244人の家族連れが利用した。特に落下防止の背もたれ付きブランコなどが人気だったという。
 保護者計186人に行った聞き取りでは、西区からの来園が最多の3割で、自家用車での来園が8割を占めた。満足度の5段階評価では「とても満足」「まあ満足」が全体の97%に上った。
 特別支援学校や放課後等デイサービス施設など9団体への聞き取りも実施。大半が肯定的だったが、「混雑で利用できていない」という声が複数上がった。
 市みどりの推進課は「各団体に空いている時間の利用を呼びかけるほか、インクルーシブ遊具の意義をホームページで周知など対策を検討したい」とする。
 雪が多く、公園の今年のオープン時期は未定という。

2024年3月27日 22:42北海道新聞どうしん電子版より転載