高齢者宅の除雪などを担う「畜大雪かき隊」としてこの冬奮闘した帯広畜産大の学生たちが、活動の幅を広げようと準備を始めた。夏場の草刈りやフードロス対策など多岐にわたる取り組みを計画。活動資金の確保や長期休み中の人繰りなど学生ならではの課題もあるが、スポンサーを募り、態勢づくりを進めている。
 雪かき隊は、帯畜大2年の木原淳兵さん(20)が代表のボランティア団体「とことこあるこう」を母体に、昨年12月に結成した。帯広市シルバー人材センターが、帯広市から長年請け負ってきた「福祉除雪」の受託を会員不足のために断念したと聞き、その一端を担おうと考えたのがきっかけ。学生約40人が2、3人で一組となり、雪が降るたび、申し込みのあった40~50軒を手分けして除雪した。
 訪れた先で、高齢や病気のために生活支援が必要な人たちの話に耳を傾けた学生たち。「今まで知らなかった地域の課題に気付かされた」といい、活動を増やすことにした。草刈りをはじめ、電球交換などの生活支援、高齢者向けのスマホ教室、特定外来生物セイヨウオオマルハナバチなどの駆除、廃棄食材の利活用と、アイデアは尽きない。
 課題は資金確保だ。除雪は積雪量や広さに応じて1軒当たり1500~3千円前後の料金を設け、その収入から学生に時給千円相当の報酬を支払った。ただ、決して潤沢ではなく、交通費は学生が負担することも多い。参加学生を増やすためにも、木原さんは企業とスポンサーシップ契約し、活動時の上着に企業のロゴを掲載する形での資金調達を目指す。
 学生たちで運営する難しさにも直面した。1月に大雪が降った日は、木原さん宛てに依頼の電話が鳴り続け、授業を受けることもままならなかった。大学が春休みに入った2月下旬の積雪時は、メンバーの大半が帰省で帯広を離れており、15人で40軒を除雪した。こうした経験を教訓に、運営の仕組みも工夫するという。スポンサー企業などの問い合わせは木原さん、電話080・8880・7298へ。

高齢者宅の除雪作業に汗を流す「雪かき隊」代表の木原淳兵さん(左)ら畜大生

2024年3月27日 18:35(3月27日 19:33更新北海道新聞どうしん電子版より転載