【石狩】ひきこもりの当事者や家族を支援するNPO法人「ジェルメ・まるしぇ」の設立10周年イベント「まるフェス2024」が、花川南コミュニティセンターで開かれた。当事者のバンドによるオリジナル曲の披露や、座談会などが行われ、来場者約50人は法人の活動に理解を深めた。
 同法人は2014年に市内の福祉関係者らで設立。ひきこもりの当事者や家族を対象とした相談室や、不登校の児童生徒らの学習支援室、就労の訓練として接客や調理を行うカフェなどを運営している。
 20年度からは「市ひきこもりサポートセンター」の運営を受託。これまで支援してきた当事者や家族は300人を超える。
 記念イベントは11日に開催され、当事者のバンドとして、ボーカルの横尾陽菜さん(23)、南米ペルー発祥の打楽器「カホン」の金子瑞輝さん(26)らが出演。横尾さん作詞の「光れ!」など2曲を披露した。
 横尾さんは法人が運営する相談室に通って前向きになれた気持ちを「迷え 一回きりの人生 何も間違いなんてないんだ絶対 大丈夫君は一人じゃない」と歌詞に表現。息ぴったりのハーモニーを響かせた。
 座談会では、不登校になった経緯や法人の支援内容などについて語り合った。
 高校時代に人間関係の悩みでひきこもった金子さんは、相談室に通い「同じ悩みを抱えた人と関わり、心が安らいだ」と説明。
 中学時代に部活動のプレッシャーで不登校になった横尾さんは約6年前から相談室を利用し「同年代の人と話すのが怖くなくなり、人と関わることが楽しみになった」と笑顔で話した。

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NPO法人「ジェルメ・まるしぇ」の設立10周年イベントで、演奏を披露するひきこもり当事者バンドの(左から)金子瑞輝さん、横尾陽菜さんら

2024年3月15日 23:02北海道新聞どうしん電子版より転載