【北斗】障害者の権利保障や虐待防止について学ぶ研修会が2日、市総合文化センター「かなでーる」(中野通2)で開かれた。道南の福祉施設の管理職員らが、事例発表などを通じ、支援の考え方や身体拘束を行う際に守るべき手順について理解を深めた。
 函館地域障害者自立支援協議会の権利擁護部会が主催し、約80人が参加した。グループホーム「サポートすばる」(北斗)の林経夫所長(50)は、理髪を嫌がっていた利用者が、使い慣れたかみそりを使用するなどの工夫により落ち着いて理髪できた事例を紹介。「相手について知ろうとする姿勢が(支援の)スタートだ」と述べた。
 相談支援事業所「一条」(函館)の職員宮島友紀さん(41)は、一時的な身体拘束がやむを得ない場合は、実施計画を作り、本人や保護者の同意を得たり、記録を残したりすることが必要だと説明。「本人に合った支援を職員同士で考えることで、身体拘束を必要としない支援につながる」と訴えた。
 札幌や函館で居宅介護事業所などを運営する「Colors(カラーズ)」(札幌)の佐藤忠峰代表(42)は、「自分が『かっこいい』と感じる支援を考えることが大事」と強調。利用者がやりたいことを支えることで、職員と利用者に良い関係性が生まれると指摘した。

障害者の権利保障の在り方などについて意見を交わした研修会

2024年3月2日 21:28北海道新聞どうしん電子版より転載