【函館】函館市の特別養護老人ホーム「恵楽園」で職員が入居者に不適切な身体拘束を行っていた問題で、運営する社会福祉法人恵山恵愛会(同市)は27日、内部調査の報告書を市に提出した。不適切な身体拘束は少なくとも5年前から行っていたとした。市は内容を精査し、3月上旬にも立ち入り調査を行う方針だ。

 同法人は昨年12月に内部報告書を提出し、市は追加の調査を求めていた。同法人の菅龍彦理事長によると今回の報告書では入居者に対してベッドの四方を柵で囲い、シーツなどを体に巻き付けていたと説明。菅理事長は今月22日、時期について「2022年以前から」と説明したが、その後の確認で「5年程度前から」と判明したという。

 市によると、高齢者虐待防止法に基づく調査と介護保険法に基づく監査を行う方針。菅理事長は報告書の提出後、「今後、再発防止について粛々と対応したい」と市役所で報道陣に述べた。(大庭イサク)

 

2024年2月27日 21:28北海道新聞どうしん電子版より転載