日鋼記念病院(高橋弘昌院長)は22日、産婦人科の分娩(ぶんべん)取り扱いを5月末で休止すると発表した。札幌医科大が同病院に派遣している産婦人科の常勤医4人を引き揚げるためだという。室蘭市医師会によると、同病院が分娩を休止した場合、市内での受け入れは製鉄記念室蘭病院のみとなる。日鋼記念病院は「医師の確保に努め、受け入れ再開を目指す」としている。
同病院は2001年にリスクを伴うお産などを受け入れる道の「地域周産期母子医療センター」に西胆振で唯一指定され、新生児集中治療室(NICU)など高度な設備を備えており、地域の周産期医療の中核を担ってきた。現在は、分娩を年に350~470件取り扱うほか、産科手術や婦人科手術も約100件以上行っている。
同病院は、札医大からの産婦人科医の派遣終了について「大学側の事情」としている。すでに、6月以降に出産予定の妊婦には他の病院を紹介しているという。同病院は「一日も早く地域のみなさまにご安心いただけるように努力する」としている。(高木乃梨子)
2024年1月22日 21:39(1月23日 10:26更新)北海道新聞どうしん電子版より転載