【室蘭】室蘭市内の同じ中学校で3年の女子生徒2人がいじめ被害を訴え、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定された問題で市教委が、被害者の保護者の求めに応じ、いじめ調査の第三者調査機関委員全員を交代させることが19日分かった。市教委は当初、室蘭市と、隣接する伊達市から5人の委員を選んだが、保護者が「利害関係者がいる」と反発し交代を求めていた。道内で第三者機関委員が全員交代するのは異例。

 新たな委員は弁護士や医師など6人。室蘭市や近郊の登別、伊達の両市とは関わりがない道央圏の人物を選んだ。31日の臨時教育委員会で正式決定し、2月中に第1回会合を開く。

 女子生徒2人は別々のクラス。それぞれ同級生から足を踏みつけられるなどのいじめを受け不登校となり、うち1人は市外に転校した。市教委は昨年9~10月にそれぞれの保護者に重大事態認定を伝え、第三者機関「いじめ防止対策審議会」に調査を諮問した。委員の氏名は当初非開示としていたが、道教委の指導を受け、保護者に開示した。

 新たな委員の氏名について、市教委は両保護者には伝えたが、一般に公表するかどうかは委員の意向を確認して決めるとしている。

 札幌市や旭川市は、第三者機関の委員名について保護者以外の市民にも公表している。いじめ防止対策推進法に詳しい関西大法学部の永田憲史教授は「調査の信頼性を高めるためにも委員の氏名は公表すべきだ」と話す。(古田裕之)

2024年1月19日 22:00(1月19日 22:13更新)北海道新聞どうしん電子版より転載

 

・いじめ疑い 室蘭市教委「重大事態」 中学生2人不登校に

【室蘭】室蘭市教委は市内の同じ中学校で、3年の女子生徒2人がいじめを受けた疑いがあるとして、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定し、第三者委員会による調査を始めることが5日、分かった。2人は精神の不調を訴え、1人は不登校になり、もう1人は不登校になった後、市外に転校している。
 市教委によると、2人は別のクラス。生徒の保護者によると、それぞれ同級生から足を踏みつけられたり、体をぶつけられたりするいじめを受けたという。
 市教委が重大事態の認定を保護者に伝えたのは9月6日と10月1日。生徒は、いじめの有無を確認するアンケートでそれぞれ昨年5月と今年7月に被害を訴えていた。
 市教委は「該当する中学校が対応にあたり、問題はないという認識だった。いじめの詳しい内容や加害生徒などについては精査している」としている。この2件について、医師や大学准教授ら5人の委員で構成する第三者機関「いじめ防止対策審議会」が11日から調査を始める。
 この中学校の校長は「深刻な問題と受け止めている。適切な対応をとりたい」。市教委の伊藤博明教育長は「『重大事態』認定を真摯(しんし)に受け止め、誠実に対応したい」と話している。(古田裕之、高木乃梨子)

2023年10月6日 05:00北海道新聞どうしん電子版より転載