月に1回、半年に1回しか起こらない「不整脈」を捕まえることは非常に難しい…

仕事の効率化だけでなく、日々の健康管理にも便利なスマートウォッチ。「Apple Watchで見られる情報は多く、心電図の精度もかなり高い」と、滝村医師(PHOTO:アフロ)

メールや通話などの通知を手元で確認できる、便利なスマートウォッチ。心拍数や活動量、睡眠状態まで測定でき、健康管理に役立てているビジネスマンも多いだろう。そんな中、スマートウォッチの通知をきっかけに医療機関を受診する人が急増している。その受け皿として総合病院などで開設されはじめているのが「スマートウォッチ外来」だ。 【画像】3000人の村に「10億円の交付金」! 河野大臣が絶賛…「スーパービレッジ構想」のトホホな実態 「スマートウォッチの代表でもあるApple Watchでは、心拍数や心電図を高精度で測定できます。’20年に、Appleの心電図アプリケーション『家庭用心電計プログラム』と不規則な心拍を通知してくれる『家庭用心拍数モニタプログラム』が、厚生労働省から家庭用医療機器として承認されました。 その頃から、不整脈のアラートが出たという患者さんが少しずつ増えてきたんです。どこの科に行ったらいいか分からない人が多いのではないかと思い、不整脈を診ている循環器内科で、’23年の夏から『スマートウォッチ外来』をオープンしました」 と話すのは、総合東京病院循環器内科の滝村由香子医師。担当するスマートウォッチ外来では、不整脈専門医が診断にあたる。 「Apple Watchは、悪性の不整脈である『心房細動(しんぼうさいどう)』の可能性がある場合や、脈が速すぎたり遅すぎたりする場合などにアラートが出ます。不整脈にはいくつか種類があり、心房細動はその一つ。診断するには、不整脈が起こったそのときの心電図を確認する必要があります。 『昨日動悸がした』といって受診しても、病院で心電図をとってそのとき正常だったら、医師は不整脈と診断できない。その反対で、不整脈が潜んでいたとしても年1回の健康診断で問題がなければ見逃されることもあります」 診断されないということは、早く治療がスタートできないということだ。その点、肌身離さず身に着けているスマートウォッチがあれば、動悸や息切れなどの不整脈に関わる症状が起こったときはもちろん、症状がないときでも測定が可能になる。 「スマートウォッチ外来に来られる患者さんは、すでに不整脈を“現行犯”で捕まえた記録があります。そのため診断から治療までスピーディになっています。月に1回とか半年に1回しか起こらないような不整脈を捕まえることは非常に難しいのですが、受診時にその心電図があることは医師としても助かっています」

11/22(水) 14:00配信yahoojapanニュースより転載

活用してる?「スマートウォッチ外来」受診者増加…「25%は無症状」悪性の不整脈の早期発見も可能(FRIDAY) - Yahoo!ニュース