女子の割合が多い短大の学生数が2023年度に8万6686人となり、ピークだった1993年度の約53万人から84%減少したことが文部科学省の学校基本調査で分かった。30年間で6分の1に減っており、少子化だけでなく、職業意識の変化や女性の社会進出で四年制人気が高まったことが要因。短大の経営は苦しく、閉鎖や四年制への組織改編が相次ぐ。

 調査によると、国公私立短大の数は96年度の598校が最多。その後は減少が続き、2023年度は公立15校、私立285校の計300校に半減している。現在は国立短大は存在しない。

 日本私立学校振興・共済事業団が23年度に集計した私立短大276校のうち定員割れが92%(254校)を占めた。合計定員の7割ほどしか埋められていない。最近では上智大短期大学部(神奈川県秦野市)や龍谷大短期大学部(京都市)などが定員割れが続く状況を理由に、25年度以降の学生募集停止を発表した。

短大学生数の推移

 

 四年制の女子大にも同じような傾向がある。武庫川女子大教育研究所によると、1998年度に98校だったが、共学化するなどして2023年度は73校となった。

 文科省などによると、短大は地方都市に根付いている学校が多く、地元高校生の進学先として選ばれてきた。主に2年間で幼稚園教諭や栄養士、看護師といった職業資格を得られる学科が人気を集めた。こうした職業に女性が就く割合が高かった面もある。

 同研究所の安東由則教授によると、1986年の男女雇用機会均等法施行で昭和型の性別役割分担を見直す機運が高まり、バブル崩壊後の就職氷河期には多くの女子が四年制の共学を選ぶ流れもできた。安東教授は「校内に女子の多い環境は、男子の目を気にせずリーダーシップを発揮できるメリットがある。現代の学生に選ばれるためには、その学校ならではの強みをさらに打ち出さなければならない」と話す。


 短大 大学の一種として学校教育法に位置付けられ、1950年度に公私立計149校、学生数約1万5千人でスタートした。二年制または三年制で、職業や実生活に必要な能力の育成などを目的とする。当初は女子学生より男子学生が多かったが、2023年度は女子が87%を占める。四年制大学に比べて規模が小さく、地方都市にある学校も多い。幼稚園教諭や保育士、栄養士や介護福祉士など地域社会を支える人材養成を担ってきた。