【厚真、安平、むかわ】2018年の胆振東部地震で大きな被害を受け、被災者が流出した胆振管内の厚真、安平、むかわ3町が、転入者が転出者を上回る「社会増」に転じている。地域おこし協力隊員の積極採用や外国人の受け入れなどが影響し、22年に3町そろって社会増となった。ただ、出生数が死亡数を下回る「自然減」が多く、人口自体は3町とも減少している。

 総務省の人口動態調査によると、厚真町の人口は胆振東部地震のあった18年まで、5年連続で社会増だったが、19年は転出が転入を上回る43人の社会減に転じ、20年も48人減となった。地震で自宅が損壊した住民らの転出が影響したとみられる。

 厚真町は移住対策に力を入れ、19~22年度に計44人の協力隊員を採用。家族を含め計78人が転入した。移住者向けの子育て支援住宅15戸も地震後に整備し、全戸の入居が決まった。

 これらの施策により、21年は17人の社会増、22年も26人増となった。今年は8月末までで13人の社会減だが、例年夏以降に転入が増える傾向にあるという。

 安平町は22年、転入者が転出者を15人上回り、06年の旧早来、旧追分両町の合併以来初の社会増になった。今年も8月末までで91人の社会増で、同町は町内に3カ所ある競走馬牧場が今年、従業員を増やしたことが一因とみる。

 むかわ町も22年、06年の旧鵡川町と旧穂別町の合併以来、初の社会増(4人)となった。外国人に限れば27人の社会増で、鵡川農協によると、野菜を栽培する農家で働く特定技能外国人が増えているという。今年も8月末までで21人の社会増となっている。

 一方、厚真、安平、むかわの3町は22年、社会増となったものの、少子高齢化の影響で出生数が死亡数を下回る「自然減」が続いている。

 22年の自然減は厚真町が38人、安平町が95人、むかわ町が95人。全体の人口は厚真町が12人、安平町が80人、むかわ町が91人それぞれ減少。23年1月1日時点の人口は厚真町4381人、安平町7314人、

2023年9月5日 22:30(9月5日 22:34更新)北海道新聞どうしん電子版より転載