北海道電力が家庭向けの電力料金の値上げを申請していることを巡り、北電幹部が25日、生活困窮者に食料を配布している札幌市中央区の一般社団法人フードバンクセンターを訪れ、食料配布会に立ち会った。

 経済産業省が20日に札幌市で開いた値上げに関する公聴会で、同法人を運営する「フューチャーフライト」グループの釜沢剛璽代表(44)が「北電幹部に現場を見てほしい」と発言したため、北電が応じた。

 釜沢代表は3月に北電本社に電力料金の値上げに反対する意見書を提出しており、この日は「物価高で食料の寄付が減っている」と北電の中川秀世・執行役員道央統括支社長に訴えた。配布会には20~80代のシングルマザーや失業者ら約60人が訪れた。釜沢代表は「値上げで生活が苦しくなる困窮者の姿を見てほしいと考えた。見に来てくれただけでもよかった」と話した。(高野渡)2023年4月25日 21:24(4月26日 00:45更新)北海道新聞どうしん電子版より転載