大雪になると高齢者などにとって大きな負担となるのが自宅の除雪。こうした高齢者などに代わって地域の人たちが玄関先を除雪するのが「福祉除雪」のサービスです。この「福祉除雪」、今シーズンは利用の申し込みが急増し、いま、担い手の確保に追われています。

【利用申し込み急増】
札幌市が平成15年から始めた「福祉除雪」は、自力で除雪することが難しい70歳以上の高齢者や障害のある人が暮らす世帯などを対象にしています。
社会福祉協議会に利用を申し込むと、経済状況によって最大でひと冬1万円の負担金で自宅の玄関先を代わりに除雪してもらえます。
除雪を担うのは社会福祉協議会に登録しているそれぞれの地域の町内会や企業などの協力員で、割り当てられた世帯の除雪をすると、ひと冬で1世帯あたり2万1000円の活動費が支給されます。
社会福祉協議会は、この冬の福祉除雪を前にことし9月から先月4日まで募集したところ、利用する世帯は5980件と前の年より600件近く増えて過去最多になったということです。
札幌市社会福祉協議会地域福祉課の西川圭係長は「昨シーズンの大雪の影響を受けて、福祉除雪の制度を使いたいという人が増えたと見られる。大雪の降った次のシーズンは除雪の利用世帯も増えるという定説どおりになった」と話しています。

【担い手確保が・・・】
「福祉除雪」を利用する世帯が過去最多となる中、除雪の担い手となる協力員をどう確保していくか大きな課題となっています。
札幌市社会福祉協議会によりますと協力員の数は例年およそ3400人で、このままでは6000件近い利用世帯に対応するのは難しいということです。
社会福祉協議会は、新聞の折り込みチラシで募集をかけるほか、町内会などに協力員の追加を依頼するなど担い手確保に向けた取り組みを強めています。
札幌市社会福祉協議会の西川係長は「働いている人は除雪に協力するのが難しいと思うが、困っている人を助けるため協力してもらえるように呼びかけていきたい」と話していました。

【担い手の高齢化も】
「福祉除雪」は、担い手の高齢化も課題となっています。
札幌市西区の河本幸雄さんは、「福祉除雪」の協力員をおよそ20年続けています。
河本さんが会長を務める町内会は、およそ30世帯のうち5世帯が「福祉除雪」を希望し、協力員3人で除雪にあたります。
河本さんは77歳、町内会の最も若い協力員で67歳と高齢の人たちで地域を支える形となっています。
札幌市社会福祉協議会によりますと、担い手の高齢化はほかの地域でも進み、昨シーズンの協力員の8割以上が65歳以上で、中には「足や腰を痛めて除雪が難しい」と今後の不安を口にする人もいるということです。
河本さんは「1人で5件の雪かきを行っている人もいて、玄関前の除雪は大変だ。地域のために恩返しをしたいと思っているが自分自身も77歳で、まわりの協力員も高齢者が中心で今後が心配だ。若い人にも地域を支えるためにぜひ除雪に参加してほしい」と話していました。札幌市で高齢者や障害がある人に代わって自宅の玄関先を除雪する「福祉除雪」の担い手が不足していて、市の社会福祉協議会は新たな協力員を募集しています。

 

11月29日 18時42分 北海道NHK WEBより転載

 

・札幌市で「福祉除雪」の担い手が不足 新たな協力員を募集

札幌市は自分では除雪が難しい高齢者や障害がある人に代わって社会福祉協議会の協力員が自宅の玄関先を除雪する「福祉除雪」の制度を設けています。
社会福祉協議会によりますと、昨シーズンの大雪を受けて、今シーズンは事前の利用申し込みが10月中旬までに5700件余りと昨年度の同じ時期に比べて1000件以上多く寄せられているということです。
一方で、協力員の登録人数はおよそ3400人でここ数年、横ばいとなっていて、除雪の担い手が不足していることから、社会福祉協議会は新たな協力員を募集しています。
12月から来年3月までシーズンを通じて協力した場合は、協力員1世帯あたり2万1000円が活動費として支給されるということです。
協力員の登録は各区の社会福祉協議会と区役所で受け付けていて、札幌市社会福祉協議会の大井戸麻衣さんは「冬の生活を支えるため、多くの方に参加してほしい」と話しています。

11月02日 07時02分 NHK NEWS  WEB北海道