札幌市白石区の住宅で無職西村勲さん(85)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された妻の無職三千代容疑者(81)が「夫から『一緒に死のう』と持ちかけられた。夫は認知機能が低下しており、将来を悲観した」と供述していることが15日、捜査関係者への取材で分かった。同容疑者も病気を患っており、勲さんを殺害後、自らの腕などを刺したとみられ、札幌白石署は2人が心中を図ったとみて調べている。

 捜査関係者によると、三千代容疑者は過去にがんの治療を受けていた。勲さんの言動について、同容疑者は「認知症のような症状が出始め、2人での生活に不安を感じていた」などと供述した。勲さんから「一緒に死のう」と言われ、自宅で殺害したという。同容疑者は腕や足に刺し傷を負っており、同署は勲さんを殺害後、自らを刺して自殺を図ったとみている。

 同署によると、三千代容疑者は13日午前7時ごろ、自宅で勲さんの腹部などを刃物で複数回刺して殺害し、約4時間後に「夫を刺した」と同署に通報した。

 三千代容疑者と勲さんは2人暮らしだった。

8/16 01:16 更新 北海道新聞どうしん電子版より転載