先日、八王子市夢美術館へ

絵本作家ピーター・シスの

展覧会を観に行きました

 

チェコスロバキアに生まれ

アメリカに亡命したシスの

生い立ちと心境の変遷が

作品を通して展開されています

 

ピーター・シスのことをよく知らずに

子ども向けの絵本の作家さんだろう

くらいに思って行ってみたら

 

独裁体制下のチェコスロバキアで

表現を抑圧する「かべ」を越えようともがき

自由を求めてアメリカに亡命したシスの

絵やアニメーション作品に出迎えました

 

どれも緻密で美しくて

どこか神秘的で

思索に満ちていて

哲学が感じられて

惹きつけられる作品たち

 

なかでも一番心惹かれたのが

中世ペルシャの詩人アッタールの

物語詩『鳥の言葉』をテーマにした作品でした

 

シスが描いた

中世の詩『鳥の言葉』に込められた

鳥たちの悟りの旅の物語

 

あるとき

世界中の鳥たちが会議を開きました

 

自分たちの王を求めていた鳥たちは

神である霊鳥が王になってくれる

ことを望んでいました

 

そこで遥か遠くの山に住むという

神である霊鳥を探す旅へ

みんなで出発することになります

 

途中でいくつもの試練に遭い

次々と鳥たちが脱落していきました

 

探究の谷

 

愛の谷

 

霊知の谷

 

自立の谷

 

唯一性の谷

 

驚愕の谷

 

自我消滅の谷

 

これら七つの谷を越えて

最後に残った三十羽の鳥たちは

 

自我の消滅した自分たちこそ

神である霊鳥であった

ことに気づくのです

 

大きな気づきを得た鳥たちは

自らの内に宿る神へと溶け込み

神とひとつになったのでした

 

この鳥たちは私たちの魂を

象徴しているのでしょう

 

詩人アッタールの『鳥の言葉』

についての解説を読みながら

 

この展覧会に

誰かに招かれてきたような

不思議な気持ちになっていました

 

7月に入り彼の命日を前に

週末に行きたい美術館の候補から

前日になんとなく選んだ

ピーター・シスの展覧会

 

そこにはピーター・シスが描いた

様々なテーマの世界がありました

 

どちらかというと

子どもよりも大人の方が

楽しめそうな世界観

 

独裁体制下のチェコスロバキア

で葛藤した経験や

民主化された祖国チェコへの想い

が詰まった作品

 

子どもたちへのメッセージ

が込められた作品

 

コロンブスやダーウィン

ガリレオ・ガリレイ

サン=デグジュベリなど

偉人の生涯を伝える作品

 

そして

中世ペルシャの『鳥の言葉』

をテーマにした作品

 

この現象世界に生まれ落ち

幻想の世界から目覚めたくて

 

自我探究の旅に出かけ

愛に満ちた世界を見つけ

無の境地に到達し

 

やがて神とひとつになっていく私たち

 

ここに来なければ

知ることのなかった

『鳥の言葉』の悟りの世界へ

時空を超えて導かれたことに

感謝の祈りが生まれていました

 

彼が亡くなってから

丸4年が経とうとしていました

 

ピーター・シスの闇と夢