【聞く力が変わると、
歌声もレッスンも変わり始める】
音楽運動学の山本先生との対談です。
今回は「聞く力」について話しました。
何十人もレッスンをしてきて感じるのは、
人の話が聞けない人は、音楽も聞けない
ということです。
聞く力とは、ただ音が耳に入ってくること
ではありません。
どう聞くか、
何を聞くか。
そこがとても大事だと言います。
特にボーカルを学ぶ人ほど、
実はボーカルの声しか聞いていないことが
あります。
カラオケの音程バーを見ながら、上がった
下がったで判断を終えてしまう。
そうではなく、そこから何を感じるかが
本当は重要です。
音楽や楽器の音を聞くことはもちろん大切ですが、
同じくらい大事なのが自然の音を聞くことです。
風の音、
虫の声、
生活に密着した足音。
そうした自然に起こっている音には、
いろいろなリズムが宿っています。
ところが最近は、そうした生の音を聞く機会が
どんどん削られてきているように感じます。
街にはイヤホンをつけた人があふれ、
店に入れば音楽が流れている。
音に囲まれているようでいて、
実は生音を聞く機会は少なくなっています。
生伴奏のミュージカルを観たとき、
舞台上の世界をありありと感じられたのは、
まさに生音だからこそ。
音は耳だけでなく、
肌でも、全身で感じるものです。
声は、体で響かせるもの。
だからこそ、全身で表現するためには、
まず全身で聞くことから始まります。
聞けないものは、表現できない。
音楽を通して心を開く前に、
まず耳を開くこと
——それが音楽家にとって大切な気づきだと
いう話になりました。
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