仕事で外食後に帰宅した主人に「どんな食事だった?」と聞くと「お皿にのった一口サイズの得体の知れないやつが次々に出て来たけど、何食べたか覚えてない！お腹がすいた」と不満げに答えることが多い。

(きっといいレストランで高級なものをご馳走になってきたんだろう！)(食べなかった私への遠慮でそう言っているのかなぁ?)って思う時もあるけれど、基本的に、本気で不満だったのだと断言できます。

主人は「正直じゃない料理」が大嫌いなんです。

お皿の真ん中に少量だけ、おしゃれにのせられて出されるけれど、前菜なのか？主菜なのか？何やら変わった味付けで、よくわからない料理は、主人にとって「正直じゃない料理」の代表選手です。

「何皿出て来ても、最後までお腹が満たされた気がしない」のだそうです。

一つひとつがたとえ美味でも、お腹が心地よく満たされない料理は、食事としての本質に欠けた「正直じゃない料理」でしかありません。

ただ量が多ければ良いと言うものでは決してありません。主人は良く食べるけれど、大食いではないので……。

美味しく味つけられた、適当な量の食べ物が、小細工なしに、ある程度綺麗に盛り付けられて出されたら、それが主人にとっての「正直な料理」です。

料理が目的ではない仕事で外食だし、自分で払うわけではないですが、きっと高かったのだろう？と想像するだけで怒りが込み上げて来ちゃうみたいです。デンマーク人あるある？

さて、前書きはこの辺にして、今日は、「正直な料理」を提供する、主人のお墨付きレストランについて書こうと思います。

コペンハーゲンのフレデリクスベア地区にあるレストラン「ブイヨン」は、パリ発祥のレストランで、心地よい空間で、美味しい食事を、格安に提供することをモットーにしています。

「今日は忙しかったから夕食は楽したいでしょ？ブイヨン予約しておいたよ！」と言う感じに、孫が遊びに来て忙しい週末など、最近は定期的に誘われて行くレストランです。

数年前に開店した当時は、その破格な安さで大人気で、3ヶ月前から予約しないと入れない、と言う状態でした。その頃は、帰り際に次の予約をして帰ったものです。今は当日でも予約できるようになりました。

入り口はこんな感じ。

こちらはメニュー。数字は値段。前菜は19krから選べます。デンマークでは信じられない安さなんです。

基本的にフランスのビストロ料理です。定番でいつもあるもの、季節によって変わるものがあり、新しいメニューが出ると、(行ってみる？)と、出かけます。

何度も行っているのに、このレストランについて一度も書いていなかったのが不思議！

飲み物メニュー。こちらもとても良心的です。

注文すると出される、パンとフランスのバター。美味しいです。

前菜で頼んだ、19kr.のトマトスープ。嘘のないトマトスープの味でした。

ちなみに、コペンハーゲンでは、カフェでコーヒー一杯が45kr.なんて普通です。

こちらは主菜。99kr.のローストチキン。ポテトとシャンピニオンソースが添えられていました。

普通の味だけど、ローストチキンは裏切りません。

こちらはデザートのルバーブの上にクランブルがのせられたもの焼かれたもの。37kr.。

軽いデザートだと想像して選んだのに、クレームブリュレのお皿で出てきて、大きいだけでなく、ずっしり重くてお腹がパンパンになってしまいました。

正直、全部自分でも作れる料理なので、新しい発見はありません。

でも、フランス気分に浸れるし、楽をさせたい、って言う主人の気持ちも嬉しいし、誘われたら、もちろん断ることなく行くことにしています。