東洋経済オンラインでこんなニュースを目にしました。
トランプ氏、歴代最高齢での大統領就任です。
彼を支持するしないは置いておいて、
大統領として執務する体力があるのかどうかみんな気にしています。
その流れで、頭皮も気にしています。
確かにあまり禿げた大統領はこれまでいなかったような。
さて、今日はアメリカのSales Tax (=売上税)の話です。
アメリカだと、消費税は売上税と呼ばれます。そして州税です。
消費税は付加価値税なので仕入れ取引にもかかりますが、
売上税は最終消費者だけが負担します。
日本の消費税は、どこに住んでいても負担する税率は同じです。
北海道から沖縄まで、消費税はどこに居ても8%です。
余談ですが、住民税には地域差があります。
0.325%高低差があります。
●最高:神奈川県横浜市 10.025%
●最低:愛知県名古屋市 9.7%
なのでたった0.325%ですが変わります。
いっぽうアメリカの売上税は州税です。
州が税率を決めて、市が上乗せしたりしなかったりします。
なので地域によって税率が違います。
しかも結構違います。
最高が10.25%、最低が0%です。
高い順ベスト10にしてみました。
- イリノイ州シカゴ: 10.25%
- ワシントン州シアトル: 9.6%
- カリフォルニア州オークランド: 9.5%
- テネシー州メンフィス: 9.25%
- テネシー州ナッシュビル: 9.25%
- カリフォルニア州ロスアンゼルス: 9.0%
- カリフォルニア州ロングビーチ: 9.0%
- ルイジアナ州ニューオーリンズ: 9.0%
- ニューヨーク州ニューヨーク: 8.88%
- カリフォルニア州サンノゼとサンフランシスコ: 8.75%
繰り返し過ぎてますが売上税は州税です。
税率が低い、というかそもそも無い州があります。5州あります。
オレゴン州
ニューハンプシャー州
モンタナ州
アラスカ州
デラウェア州
この5州の中で大統領府のあるDCから一番近いのはデラウェア州です。
車で2時間弱。なので今日のタイトルになりました。
DCの売上税は5.75%です。
デラウェア州なら0%。
育毛剤はデラウェアで買いましょう。
ひどいニュースですね。
さて、売上税がゼロってことはその自治体には売上税収入が無いということです。
では上記5州は何を財源にしているんだ?
州の財源は売上税だけではありません。
いろんな税目があります。
法人所得税、個人所得税、固定資産税、車両取得税等など。
これらを混ぜて課税しています。
これはタックス・ミックスという考え方です。
税を徴収する側の、税目のポートフォリオです。
地域にはその地域の性質があります。
会社が多い、個人が多い、年寄りが多い、観光客が多い、等々。
地域の性質を前提に、
どの税目で収入を得たら効率的なのか、
どんな集め方が理に適うのか最適化を図りたい。
これがタックス・ミックスです。
この5州を深堀りしてみましょう。
オレゴン州、モンタナ州
この2州のタックス・ミックスはシンプルです。
売上税が無い代わりに、所得税が高い。
このタックス・ミックスは、働き世代が多い場合に有利です。
所得税は所得のある人からしか取れませんからね。
老人ばかりいる州の所得税が高くても意味がありません。
ちなみにオレゴン州の真上にあるワシントン州は真逆です。
所得税が無く(0%‼)、売上税が高い(6.5%)。
ワシントン州に住んでオレゴン州で買い物する人続出。
オレゴンの真上がワシントン
ニューハンプシャー州
それぞれの州にはその州の標語があります。
ニューハンプシャーの標語は「Live Free Or Die」です。自由生きるかさもなくば死を。
1776年アメリカ独立13州のうちの1州です。
建国の精神が色濃く残っているのでしょうか、
売上税だけでなく州の所得税もありません(利子と配当だけ課税)。
とはいえちょっとでも財源は必要です。
オチはというと、この州のProperty Tax (固定資産税)は全米で3番目に高いです。
タックスミックスですね。
ニューハンプシャーの標語かっこいいですね。
ちなみに兵庫の標語は「あなたに会いたい兵庫がいます。」
意味が分かりませんね。
アラスカ州
アラスカ州はアメリカのドバイです。
州としての所得税も売上税もない。
(住んでいる地域によって最高7%の住民税がありますが)
タックス・ミックスは大変シンプルです。
ドバイなので、石油が取れます。
エクソンモービル、コノコフィリップス等石油大手からの石油税とロイヤリティが州の財源です。
デラウェア州
デラウェアはアメリカの中のタックス・ヘイブンだと言われています。
利子や配当にも税がかからないし、売上税もない。
法人を作るのに有利な条件が揃っているといわれています。
いっぽう個人はというと、所得税も固定資産税も普通にあります。
でも個人よりも会社の数の方が多い州なので、最適なタックスミックスなのかは疑問です。そもそも小さな州(人口下から7番目、面積下から2番目)なのでそんなに税収いらないのか?
以上売上税がない5州を見てみました。
話が長くなりました。
税を徴収する側のタックスミックスを紹介しましたが、
納税側も税を戦略的に考えたいですね。
働いているうちは所得税率が低い地域・国に居たほうがいい。
投資が多い人は投資所得非課税な国に行ったほうがいい。投資してない人がキャピタルゲイン非課税な国に行ったって何の節税にもならない。
いっぽう引退してからは、消費税や固定資産税が低い地域・国に居たほうがいい。所得が無くなったら、所得税率は別に高くたって関係ない。
生涯の所得、資産、消費の変動を見積もって、どんな課税をする国にどう移住していくのがベストなのか設計すると良いかもしれません。
若いうちにどうぞ!
以上。







