【日本】物品税があった時代 | ワーキングペアレントの東京ぐらし @海外帰り

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コンサルタントとしてNYや香港でサラリーウーマンしていましたが、2021年12月に東京へ帰国しました!
転職とともにこれまでの税金ブログを改め、東京暮らしや息子のインターナショナルスクールでの生活などを記していきます。

久しぶりの更新となってしまいました。

 

先日の記事にも書きましたが、アメリカの個人の確定申告期限は暦年の翌年4月15日です。

 

でも6か月の延長申請を提出して、10月15日までとする人も結構います。

 

今年は10月15日が土曜日だったので、17日(月)が延長申告期限でした。

 

今週月曜に繁忙期を終えた瞬間、会社全体がパーティーモードです。

 

すぐにまた16年分の申告シーズンが始まるんですけどね。。。。。

 

 

  *****

 

 

これまで何度か、軽減税率についての記事を書いてきました。

 

軽減税率の目的は生活必需品に係る税率を抑えることです。

低所得者の基本的な購買力を守ろうという趣旨を含んで導入されます。

 

しかしここで。

 

この記事(消費税の逆進性について)で紹介したとおりですが、

軽減税率の恩恵はすべての人が等しく受けます。

 

なので例えば超大金持ち資産家である個人も等しく軽減税率の恩恵を受けます。

 

もし軽減税率導入の背景にある政策目標が

低所得者の購買力の確保である場合、

ちょっと余計な層までこの政策の恩恵にあづかってしまいます。

 

あくまで低所得者の購買力確保が目標なのであれば、

筆者は物品税の導入が理想的だと思っています。

 

 

 

物品税とは?

 

簡単にいうと軽減税率と逆のアプローチをする消費税の課税方法です。

 

軽減税率導入のアプローチは、

標準税率を高く設定した後、

生活必需品だけを特定してそれに係る税率だけ低くします。

 

物品税導入のアプローチは、

物品ごとに必需品か贅沢品かを特定していきます。

さらに言うなら標準税率は無いor低く設定し、

贅沢品にだけ加重していく感覚です。

 

 

 

例えば?

 

実は日本、物品税課税していた時代がありました。

1940年から1989年まで。

消費税導入に伴い廃止されました。

 

それまでは贅沢品にだけ税金が掛かっていたんですね。

 

例えば。

商用車は必需品で非課税、

普通乗用車は物品税課税。

 

童謡は生活の基礎なので非課税。

歌謡曲は課税。

 

緑茶は非課税、

コーヒーは課税。

 

スキー用品は非課税、

ゴルフ用品は課税。

 

上記は一部例にすぎません。

 

品目ごとにどんな性質なのか、

生活に必要か否かを判断しなければなりませんでした。

 

 

問題点は?

 

物品税は、蔵出し時に品目ごとにどんな性質なのか、

生活に必要か否かを判断しなければなりません。

 

なので新商品が出るたびに個別具体的な判断をする必要があります。

税率も贅沢度合いによって変わってきます。

 

アドミンコストがすごいですね。

 

時代にそぐわなくなってくるわけです。大量生産社会です。

 

89年の消費税導入時、こういった煩雑さを

消費ベースの一元課税で克服しようという思惑も背景にあったようです。

 

蔵出し時に個別具体的な課税をするのでなく、

消費(付加価値が付くとき)時点で課税する。

 

 

良い点は?

 

何よりも逆進性がない。

 

あとはおもしろい。笑

卓上の定義づけが個別具体的な商品にどうあてはめられるか、

議論になるときがおもしろいです。

 

例えばこれは有名な物品税のおもしろ話。

「およげ!たいやき君」って知ってますか?

 

レコード会社は童謡の立てつけで売り出しました。非課税扱いです。

 

でもこの歌詞、実はサラリーマンの哀愁を表しているのではないかと。

”毎日同じことの繰り返しに嫌気がさして脱サラ。。。”って意味だと。

 

そうなると果たして本当に童謡なのか?非課税なのか?ってなるわけです。

 

国税庁とレコード会社とが、真面目な顔してたいやき君の歌詞を検討するんです。

 

おもしろくないですか?

 

結局童謡認定されました。

 

これ、最近のアニソンとかどうなるんですかね。

 

 

なぜ廃止されたか

 

諸説あります。でも大きな理由は以下の2つに集結するようです。

 

・生活様式や価値観の多様化に伴い、何が贅沢品であるかの定義が難しくなった。

・商品の多様化により課税対象のリストアップが困難となった

 

制度の維持が難しかったんですね。

 

 

 

  *****

 

 

平成31年10月からの軽減税率導入。

 

繰り返しますが、

あくまで低所得者の購買力確保が目標なのであれば、

筆者は物品税の導入が理想的だと思っています。

 

なぜならゼータクする人にしかかからないから!

 

しかししかし。

筆者は所得税で十分所得格差間の税負担は調整されていると思ってしまっているので、

物品税導入に賛成な訳ではないです。

 

あくまでそういう政策目標であるなら、

方法として軽減税率より物品税がいいのではっていう話です。

 

 

 

以上!