皆さんこんにちは。メイです。

前回に引き続き、今回も音楽の話をします。

今回のトピックは、いつか時間があったら丁寧に話してみたいなと思っていた話題です。

 

タイトルにもありますが、まずは今回の話題の出来事をまとめます。

 

ニュース: BTS が来年のグラミー賞に曲を提出しないことを発表

発端は、グラミー賞が次回の授賞式から新部門「Best Asian Pop Music Performance」を新設すると発表したことです。こちらは名前の通り、K-POPやJ-POPなどを含むアジアの音楽が対象となる部門です。

グラミー賞はアーティストが曲を提出して初めて審査の候補に入ります。

今回の発表に対してBTSはグラミー賞への曲の提出をしないことを発表。BTSの主張は「音楽が地域や言語によって分断されるのではなく、音楽として聴かれ、愛されることを願っている」というものです。BTSは過去にも2度グラミー賞にノミネートされましたが、受賞には至っていません。

このBTSの発表の後にグラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーが声明を出しています。レコーディングアカデミー側の主張としては「新たな部門の新設は、その分野で活躍するアーティストにスポットライトをあて、彼らが評価され認識されることを目的としている」というものです。さらに「アジア部門に曲を提出することは主要部門から排除されることではない」ということも明確に示しています。

グラミー賞の部門数は実際、初めの時期よりもかなり増えました。増加の一途ではなく増えたり、名称の統合で減ったりもしていますが、去年は95部門ありました。

 

 

ここからはこれらの出来事からの議論を深掘りしていきましょう。

 

アジア部門新設に関する批判

BTSはこのアジア部門が音楽における地域的、文化的分断を起こすことを懸念しています。一部の声では、これによってアジアのアーティストを主要部門から締め出すことになるのではないかという懸念もあります。もう少し踏み込んでみると、まず、BTSはこれまでグラミー賞にノミネートされ受賞まであと一歩だったことがあり、それに対してファンからレコーディングアカデミーに対する「なんで受賞がBTSじゃなかったんだ」という批判が上がったことがあります。この点を考えると、今回のアジア部門の設立はBTSのための専用の部門で、レコーディングアカデミー側が「BTSへの専用の席を作り、そこで受賞させればいいと考えている」とも捉えられてしまうということです。実際、BTSはアジア出身アーティストの中で一番主要部門の受賞に近い存在です。そのタイミングでアジア部門が作られてしまうと、こういった考えも生まれかねません。しかし、前にも述べた通り、レコーディングアカデミー側は、あくまで評価されるべき人が評価されるように、そして音楽の多様性の裾野を広げていくことを目的とした新部門開設だと主張しています。

 

実際グラミー賞には今回のアジア部門の開設前にラテン部門やアフリカン音楽部門などがあります。BTSにあげるための部門とまでは思いませんが、今回のタイミングも合わさってここまでの物議になったのではないかなと思います。

 

実際にこれまでグラミー賞はその透明性についてさまざまな議論を呼んできました。エミネムはグラミー賞は自分を視聴率や客寄せのために利用していると批判していたり、TheWeekndが自分の作品がノミネートされなかったことに「透明性に欠ける、腐敗している」と痛烈に批判していたりします(今は和解)。アメリカで生まれた賞であることから投票する会員にも少なからず人種の偏りはあるだろうし、授賞式もテレビ番組だから話題性も無視はできません。その時点で本当の公平って何っていう疑問も出てきます。もっと根本的な疑問を言ってしまうと、そもそも音楽に1番とかあるのでしょうか。

 

 

日本の音楽業界はどう捉える?

今回のアジア部門開設に対するBTSと日本の音楽業界の反応はかなり異なります。今年、日本からSKY-HIとBE:FIRSTがレコーディングアカデミーの会員に選出され、来年のグラミー賞への投票権と出席権を得たことがニュースになりました。この件と合わせてアジア部門の開設は日本のアーティストがアメリカ(ひいては世界)の音楽市場に進出していく大きなチャンスになります。BTSとは対照的にこれは日本の音楽業界にとってはポジティブな兆候として捉えられているのではないでしょうか。

 

また、興味深いなと思うのは、アジア部門の音楽には「実用的で有意義な、アジアの言語の使用」が条件になっています。つまりこれから日本語の曲がグラミー賞で受賞されるかもしれないというわけです。しかし、これまでアジアのアーティストが世界進出に向けて英語の歌詞を歌ってきました。実際BTSが過去にノミネートされた曲も全編英語の曲ですが、それはアジア部門の対象外になってしまうという事実です。XGとかKATSEYEとかも対象外になるってことですよね、、、?

BTSが音楽が言語によって分断されることを望んでいないという点においても、この条件に関しては多くの議論を呼んでいます。

 

 

 

さて、いかがだったでしょうか。今回の問題は「音楽の評価」における難しさが詰まった話題だったと思います。

私は毎年グラミー賞を見ていますが、誰が受賞するかというよりは、その1年間活躍したアーティストが同じ場所に集まってお互いのパフォーマンスを楽しみ、讃えあう様子が好きで見ています。過去にハリースタイルズがベストアルバム賞を受賞したときに「音楽に1位とかはない」とスピーチで話していましたが、本当にその通りだと私は思っています。また、エドシーランが過去に「アメリカの授賞式の雰囲気が苦手だ。アーティストたちはみんな素敵だけど、その周りの人間が横目で他人を伺い、妬みや憎しみなどで溢れている」という旨の話をしていました。音楽業界はアーティストだけではなくそれ以上に多くの人が関わっています。賞の受賞は知名度の向上にもつながるし、直接的ではないですが楽曲の再生回数や売り上げにも大きく関わってきます。そういったビジネス的なアドバンテージを手に入れるためにさまざまな思惑が交錯していることは容易に想像できます。

 

 

答えが出る問題ではありませんが、私なりに色々な視点から考察してみました。

最後まで読んでくださりありがとうございました。