『おい!いたか?』『いや…いない』

数時間前。東日本のとある場所にある小さな集落。この村の外れにある交番に
ある3組の夫婦が駆け込んで来た。

『どうした?』
『子どもが学校から帰って来ないんです…村中…隣町まであちこち探したんですけど…』
『本当か?もう18時だそ!学校には?』
『連絡したら…下校時間にとっくに帰ったって…』
『何だって!もしもし!至急応援を頼む!』

この村に子どもはたった3人しかいない。夫婦達は警官と共に再び我が子達を捜し始めた。
隣町の警察署やレスキューや消防、村人達総出で探したが、子ども達は見つからなかった。事件は《神隠し事件》として大々的に取り上げられ、連日、マスコミが押し寄せ、テレビ番組で特番が組まれたが、進展はなく、風化の道を辿った。時が過ぎ、警視庁の捜査一課に1通の手紙が届いた。

《警視庁捜査一課の皆様へ
今から、20年前に赤欲望村で起きた3人の男児が失踪した事件について調べてください。よろしくお願いします。
レッドディザイア》

内村『くだらん。捜査一課がこんなヤマで動けると思うか?』
伊丹『しかし…』
内村『特命係にやらせろ』