――M7「サマーメモリー」は、いつ頃の曲ですか?

M 「マミマミ」「ルフラン」の次にできた曲なので、

初期に近いですね。まさに僕がundoでやりたかった

“ボーカルアンビエント”を体現している1曲です。

 

――ボーカルアンビエントとは?

M 一応ボーカルが入っているんだけど、

曲全体のテイストはアンビエントという

・・・ま、造語ですけど(笑)。

コードも「E♭、Gm」を2小節ずつくり返して

最後までずーっとループしていくという、

いわゆるミニマルミュージックになっています。

 

――曲の長さは5:30と、アルバムの中で一番長いですね。

M 他は2~3分台の曲が多いですからね。

でもこれはアンビエントなので、普通に作っていると

7~8分くらいになってもおかしくない(笑)。

今回はコンパクトにアレンジしてこの長さになりました。

最初、デモを愛瑠に聞かせたら、

「車のCMで、海沿いを走っているような感じ」だって。

 

――わかります。だから海のSEが入っているんですか?

M ま、ベタですよね(笑)。

で、エンヤみたいな、リバーブを多めにかけて

ふわーっとしたボーカルが合うかなと思って。

 

――確かに、この曲のボーカルが一番リバーブっぽい。

M 僕の場合、ボーカルにはホールリバーブと、

マルチタップアンビエントというショートディレイ系の

2種類のエフェクトをかけることが多いですが、

この曲は特にリバーブを強めにかけています。

ストリングスやシンセも、他の曲よりリバーブ多めですね。

ま、今の流行りの音とは逆行しているかもしれない(笑)。

でも、ずーっと聴いていると結構気持ちいいんですよ、

リバーブ具合が。

 

――この曲に関して、影響を受けた曲は?

M イントロからずっと「テトテト、テトテト」という

アルペジオが流れていますが、

これはサイモン&ガーファンクルの

「サウンド・オブ・サイレンス」ですね。

もしくは由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」(笑)。

それ以外の部分は、特にないですね。

 

――歌詞は愛琉さんに自由に書いてもらったんですね。

M はい。お題は特になく、

「サマーメモリー」というタイトルも愛琉がつけました。

一見、シティポップス風のタイトルですよね。

でも音を聴くと、かなり暗くて重いという・・・。

 

つづく

 

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アルバム「SPY」