――続いてM5「ニューオーダー」ですが、

ここからアルバムの後半になりますか?

M そうですね。昔のLPだったら、

お皿をひっくり返して、ここからB面です(笑)。

M5は、次のM6「SPY」に導入するための

プロローグ的な役割の曲になっています。

 

――M5とM6はセットになっているんですね。

M はい。M5でスパイのボスが「誰々を殺せ」と指令を出し、

それを受けた女スパイがM6でターゲットを殺しに行く

・・・という流れです。大まかに言うと。

「ニューオーダー」とは「新しい指令」の意味で、

イギリスのロックバンドとは関係ありません(笑)。

 

――冒頭でハイヒールの音が出てきますね。

M 「指令」を受けた女性がハイヒールで

コツコツと歩いていく様子を表しています。

これはウロ覚えですが・・・ケイト・ブッシュのアルバム

「レッド・シューズ」かなんかで、ハイヒールの音が

出てくる曲があって。それにインスパイアされました。

このハイヒールの音も、確かKORGのトリニティです。

 

――このハイヒールのコツコツにかぶさって、

四つ打ちのドラムが出てきますね。

M YMOの1stアルバムで、1曲目「コンピューターゲーム」の

途中から「ズンタン、ズンタン」とドラムが入ってきて、

ノンストップで2曲目「ファイアー・クラッカー」に続く

流れがあるんですね。昔「めちゃカッコいい」と思って。

あれをちょっとマネしたくなったんです。

いわゆる生活音にドラムループをかぶせていくという。

ハイヒールのコツコツとドラムのBPMは

最初から合わせてあるので、ピッタリ重なるんですよ。

「カッコいい」と思っているのは自分だけですけど(苦笑)。

 

――歌詞はなく、スキャットのみですが、

「ダカダン、ダカダン」というスキャットは珍しいですね。

M そうかも。曲を作った時に「ダカダン、ダカダン」が

いいかなと。これも直感でしたね。

ただ歌詞はない方がいいかなと思って・・・。

あ、作った後で思ったんですが、ディスコサウンドの

「ソウルドラキュラ」にも影響受けてますね(笑)。

間奏あたりで、男性の声が出てきますが、

あれは、ボスが指令を出しているイメージです。

何をしゃべっているのかはわからないけど、多分英語です。

 

つづく

 

※楽曲視聴は下記をクリック。

アルバム「SPY」