――M3「スカイハイ」は、割とポップスっぽいですね。

M そうですね。この曲には原曲があって、

それを最初に作ったのは1994年頃・・・

先の「ル・ポレン」よりもさらに古い話になります。

当時、知人から「あるシンガー志望の女の子のために

練習曲を書いてほしい」と言われたんですね。

それも「ピチカートファイブみたいな曲」と言われて、

メジャー、マイナー各1曲ずつ書いたんですよ。

そのマイナーな方が「スカイハイ」の原曲です。

 

――元々は依頼されて書いた曲なんですね。

M はい。今回のアルバムの中で、

もともと依頼されて書いたのは、この曲だけですね。

で、いろいろあって、結局そのシンガー志望の子には

この曲をあげなかった。

よくあるんですよね。いろんな話が立ち消えになるっていう。

で、そのまま自分で持っていて、後年、

RISMYのライブで何度か披露しました。

音源化はしてなかったけど。

 

――ピチカートファイブ風というと、

“お洒落なシティーポップス”みたいな感じ?

M ま、そうですけど、ピチカートファイブって

「東京は夜の7時」くらいしか知らなくて。

大体こんな感じかな、と手探りでしたね。

原曲は、歌メロは今と同じですけど、

リズムが4つ打ちのハウスなんですよ。

RISMY時代も、そのバージョンでやってましたね。

 

――今回、undoでやる際にガラッとリズムを変えたんですね。

M そうですね。なんか、4つ打ちハウスって違うかなと。

自分が飽きてたのかもしれないけど。

リズムマシンのローランドMC303の中から

「かっこいいな」と思うドラムループを使いました。

あと、もともと全編ピアノのバッキングだったのを、

オルガンに変えています。

 

――この「スカイハイ」は、

打ち込みのデータが残ってないんですよね。

M シーケンサーの故障で保存できなかったので、

すぐ消去してしまいました(笑)。

間奏とエンディングはサックスを入れようかとも思ったんですが、

いろいろ事情があって、シンセで入れました。

それはそれで良かったのかなと。

 

――この曲は、洋楽のエッセンスは入ってませんか?

M コードバッキングで「Dm7、Em7、F△7・・・」

というリフが延々続くんですけど、

あれはちょっと、マイケル・ジャクソンの

「Baby Be Mine」に影響を受けているかも。

あの曲は確か冒頭で「Dm7、Em7・・・」が続いて

カッコいいなと思ったので。

 

つづく

 

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アルバム「SPY」