作者: カール=ヨーハン・ヴァルグレン
訳: 立石光子
出版社: ランダムハウス講談社
初版: 2007年10月

話は、19世紀初頭のドイツの娼婦館。

同じ日に二人の子供が生まれたのですが、一人は可愛い女の子ヘンリエッタ。
もう一人は世にも醜い怪物エルキュール・・。

エルキュールは容姿が奇怪な上、耳が聞こえなく、目も見えない。
ただし、エルキュールには「人の心をよむ」という特種な力がある。

二人は同じ日に生まれ、幼少時同じ部屋で過ごしたという事もあり、
他の人には通じえない、愛情・繋がりが生まれるが、
エルキュールの容姿と特異な力により、数奇な人生が待ち受けることになる・・。




スウェーデンで大ベストセラーになった、哀しくも美しい愛の物語。

内容的には、エルキューレの数奇な人生とヘンリエッタとの愛の物語を中心に進んでいきます。
そして重要なポイントが、エルキューレに「人の心をよむ」力があること。
この特異な力のせいで、彼の人生がある種の絶望に苛まれたり、大きな転機をもたらしたりします。

逆にヘンリエッタとは、自分の想いとヘンリエッタの想いが同じであることを確認でき、
心のつながりがより強大なものとなります。

もちろん、彼の特異な力により、ヘンリエッタとの関係がより深いものになったのは
間違いないと思いますが、貴重な幼少期を、自分の大切な人と一緒に過ごすことができたことが、
二人のつながりをより大きなものにさせたのではないかと私は思いました。

「怪人エルキュール」とあるように、エルキュールの容姿の表記はなかなかのものです。
歩んできた人生の悲惨、哀しさも表現されているので、グロい話、悲しい話が好きではない方は
やめた方がいいかもしれません。

個人的には最後に書いてあった、「彼がなぜ異性にモテるのかが謎でした」という表現がある
晩年のエルキューレの姿の描写が面白かったです。