「翻弄」ゆらぎ191『いま、会いにゆきます』 | jks & …muuminのブログ

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チャン・グンソクうなぎ

妄想の小部屋。少々腐入りです。

苦手な方はスルーしていただきますよう

ご注意ください。

ご訪問してくださるみなさまに心から感謝とお礼を申し上げます。



。。。。。。。。。。

Be with you

あなたと一緒に・・・ 其の24

。。。。。。。。。。


It is continution

続きをどうぞ・・・




いつのまに、雨は降り始めていたのだろう。

ふと見ると、ジソブ医師の着ている濃紺の
スーツの肩が、街灯の灯りを受け、キラキ
ラと光っている。


彼は伏し目にしていた眼を上げて、空を見
上げた。


スマートな立ち姿だった。
ファッションセンスも良い。
背広の着こなしも板についてる。


医者というより、ファッションモデルか、
映画に出てくる俳優に近い雰囲気の人だ。

加えて、佇む姿が美しい。


きっと、基本的な動きに無駄のない人なん
だろうな、と、そんな気がした。


信号が変わった。

俺は、ジソブ医師から眼を離し、先に立っ
て横断歩道を歩きだした。

くしゃみの出そうな、初秋のやわらかな風
にあう。



「・・・やっぱり・・・雨に・・・なった」


いつの間にか、隣を歩いているジソブ医師
の言葉に、俺は頷いた。



言ってる意味は解ってる。
それだけに、俺は、ひどく切なくなった。



「もう少し・・・お付き合い・・して、い
ただけますか」


ジソブ医師は伏し目がちにしながら、俺に
訊く。



ソギと弟のジュンの関係は、お互い、理解
したはずだが。他に、何か俺の知らない事
実があるのだろうか。


振り返ると、ジソブ医師は俺のことをじっ
と見ていた。なにか、まだ言いたいことが
有りそうだった。


俺は、ジソブ医師の、少し垂れたやさしげ
な瞳を覗いた。

彼は、困ったように眼を逸らしながら、口
を開いた。



「・・・どうして」



息が乱れそうになるのを、必死でこらえて
いるのが解る。彼の眼には、薄っすらと涙
が浮かんでいた。


俺は、できるだけ優しく微笑もうとした。

でも、自分も泣きそうだったので、上手く
できたかはわからない。


「・・・わかりました。行きましょう」



明洞の裏通りに隠れ家的な店がある。
お互いに同じところを目指してた。



。。。。。。。。。。



特別な話は無かった・・・



ジュンは死んだ・・・

ソギのドナーになった。


このことで、踏ん切りがついた。
はずだった・・・



もぅ、自分をジュンと結びつけるものが何
も無くなってしまったのだから・・・




『・・・会いにくるから』

ジュンは何度も言ってた。


『ぼくが居なくなっても、必ず、1年後の
雨の日に・・・会いにくるから・・・』


それは・・・

もぅ、無理なんだよな、ジュン!・・・


切なさで、胸が潰れそうになる。



その時、ビョンゴン理事がポツっと呟いた



「・・・黒い・・・男・・・」


ソギは、身に覚えのない怪我や体験に、戸
惑うことがあった、という。デジャブのよ
うな経験かも、とも思ったが、あまりにリ
アルで。

ビョンゴン理事に、このことを調べて欲しい、と頼んできた。


「・・・ぼく・・・自分が解らなくなるんだ。全部が夢のようで・・・そうではない
ようにも感じる・・・時々・・・頭がおか
しくなったのか、と・・・怖くなる・・・



ソギは、夢に出てくる黒い男に怯えていた
。ふいに体を震わせて、眼を伏せたりもした。


彼は、密かに調べを進めて、一卵性双生児
の弟がいることを突き止めた。




ソギは、感受性が強く、感が鋭い。
それはミラーツインだ、と理解した。


そうして・・・


ソギは、追体験を確かめるため、夢に出て
くる黒い男を探して明洞へ行き、呼吸困難
に陥ったのだ。


黒い男とソギは、実際に会った可能性がある、と思える。





「・・・あの時・・・は、グンソクさん、
だったのですね」



ソギに誠実で、一途なビョンゴン理事に、
俺はシンパシーを感じた。



そうだ!

話しておかなければ・・・



ソギの弟ジュンと診療所近くの浜辺で、黒
い男をはじめて見たことを。

気になって調べたことを。





黒い男は、米国籍だった。

一時期、CIAと協力してスパイ養成のプ
ログラムに参加していたが、その後、恋愛
でトラブルを起こし、休学を余儀なくされた。

CIAから薬を盗んだ罪で、今は米国に移
送され、有罪判決が出たことを話した。



「ただ・・・CIAの薬物の所為で、記憶
や言動がおかしくなってしまったらしいです。黒い男は、それの、専門病院に入院す
ることになるだろう、と。多分・・・一生
出られないのではないか・・・と・・・」


「そう・・・ですか」


「・・・はい」




ジソブ医師は、しばしコーヒーカップに眼
をやり、考え込んでいた。



「・・・グンソクさんは、良かったですね」


ジソブ医師は、硬い物を飲み込むようにして、
頷いた。



「はい・・・ありがとうございます。黒い
男のことも、解りました。いろいろ、あり
がとうございました」


俺は深く頭を下げた。



「ジュンのことは・・・残念でした」


ジソブ医師は、少し項垂れるようにして、
ため息を吐いていた。


「・・・あの」


俺がそう声をかけると、ジソブ医師は、一瞬、間を置いてから顔を上げた。



「・・・ぁ・・・はい・・・」



ジソブ医師は、ふいに、泣きだしそうに顔
を歪めた。頬に、わずかだが強張りが見える。

悲しみを湛えた彼の濡れた眸は、饒舌だった。


俺は、なんとなく後ろめたい気持ちになった。それは、ジュンに対してであり、ジソ
ブ医師や、ソギに対してでもあった。


ジソブ医師のジュンへの想いは、ソギに対
する俺の想いと重なる。



ソギの顔を見て、帰ろう!
ふいに、そう思った。


また、風邪のひき始めのような熱に冒され
はじめていた。

多少は、店内の暖房が効きすぎているとい
うのもあるのだろうが、それだけでは説明
のつかない火照りが、顔に張り付いてる。



ソギの顔が見たい。

切実に・・・


俺は・・・



家路を急いだ。









to be continued


今日もお付き合いいただいてありがとうございました。
いつもいいね!やペタ、コメントありがとうございます。



一週間で、1番忙しい金曜日。

クタクタで帰って来たら、ぐんちゃんのベストアルバム
が12月26日に発売に・・・

もぅ、情報に追い付けなくて( ;∀;)💦

ベスト盤にリクエストもできるんですね♡(*''▽'')


明日、がんばろう!!っと(笑)




みなさま♡

良い日曜日を~~~~♡♡♡♡




あんにょ~ん♡